関節リウマチのリハビリテーション治療
関節リウマチとは
関節リウマチの原因はまだはっきりしませんが、遺伝的になりやすい人に、外的な刺激が加わり、免疫学的な機序により発生すると考えられています。女性に多く、30~40歳代に発症のピークがあり、良くなったり悪くなったりして徐々に進行します。初めにほとんどの患者さんは関節の痛みを訴え、次第にいろいろな関節の腫れや変形、動きの制限が生じます。朝に指の曲げ伸ばしの障害(こわばり)が起こります。リウマチに特徴的な手の変形(指が小指側に曲がる、白鳥の首のような指の変形など)があります。関節の変化だけでなく、しばしば貧血、微熱などの全身の症状も起こります。
診断と治療
リウマチの診断は症状、血液検査、X線検査により行います。治療には、薬物療法、外科的治療、リハビリテーション治療があります。薬物療法には、抗リウマチ薬、消炎鎮痛薬、ステロイド剤などがありますが、薬には副作用もあり、症状をみながら調整します。最近リウマチに対する新しい薬が開発されており、関節変形を生じない患者さんも出てきました。関節の変形が進み、痛みが強くなった場合には、股関節や膝関節に人工関節の手術などを行うこともあります。
リハビリテーション治療
リハビリテーション治療はリウマチの時期により異なります。炎症の強いときは痛みのコントロール、局所の安静を図ります。炎症が落ち着いてからは関節の運動や筋力増強訓練などを施行します。その時にホットパックやパラフィン浴などの温熱療法を併用します。歩行訓練や日常生活のための訓練も行います。手の変形に対する装具、膝の装具、靴などを作製することもあります。また、食事・着替え・入浴などの動作の手助けとなる道具(自助具)を用います。家事動作などの生活の工夫も必要です。関節リウマチは一生付き合う病気であり、専門の医師や療法士の指導を受け機能の低下をできるだけ抑えなくてはなりません。