女性医師のはたらき方
藤原 清香 先生
東京大学医学部附属病院 リハビリテーション科・部 講師
藤原 清香 先生
東京大学医学部附属病院 リハビリテーション科・部 講師
リハビリテーション科は、「病気やけが」を診て「治療」するのではなく、病気やけがを罹患した「患者さん」を診て、「生活・社会にもどす治療」をする全人的医療がその本質で、医師として真に患者さんに貢献できる診療科だと思ったからです。
治らない病気や手術後の後遺症の前に医者は無力だと思いましたが、リハビリテーション科医にとってはむしろそこからが一番やりがいがあって、患者さんが笑顔で社会に戻っていった時が、この仕事をしていて一番嬉しい瞬間です。
リハビリテーション治療を処方する際には、個々の患者さんの日常及び社会生活から治療の最終的なゴールを見定めます。その際に女性としてのさまざまな経験が役立ちます。結婚、出産、育児などのライフプランとキャリア形成が両立しやすいのも、リハビリテーション科専門医の魅力です。
「リハビリテーション」が「再びできるようになる、人間らしく生きる」という語源にあるように、女性のライフプランの中で、医師としての仕事の復帰や負担の調整についても、ある意味、自分に対してのリハビリテーション医学・医療の専門家になることもできます。