サイト内検索

会員のページ

リハニュース No.7

  1. 特集:地方会 地方会の現状と課題

  2. 特集:地方会 地方会の実情

  3. 新理事会発足:理事長 挨拶

  4. INFORMATION

    編集委員会

    評価・用語委員会

    認定委員会

    障害保健福祉委員会

    関連機器委員会

  5. 第38回 日本リハビリテーション医学会 学術集会

  6. 医局だより

    高知県立療育福祉センター

    東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座

  7. 第12回 リハ・カレントトピックス&レクチャー

  8. 事務局コーナー:住所等変更届けは速やかに

特集:地方会 地方会の現状と課題

土肥 信之
日本リハビリテーション医学会理事 

地方会の現状 

 リハビリテーション(以下,リハ)の学術研究交流は各地域で活発に行われており,その形態も様々である.日本リハ医学会としても地方会の整備はリハ医学の普及と交流,さらによりよいリハ医療サービス提供のために重要な課題として地方会を位置付けている.幸い既に活動している地域の学会や研究会を母体として,平成8年度に全国を8つのブロックに分け地方会が設置された.
 地方会の条件としては各ブロックの現状や特色,リハ発展の歴史的経過なども異なるので日本リハ医学会の会員で構成することと規約を整備すること以外は特に制約は設けられなかった.
 当時の各ブロックの現状はその活動度や会員数において格差があり,また既に多職種合同での研究会などが定着している地域もあった.しかし日本リハ医学会地方会を立ち上げる一方で,研究会などの合同開催という形で地域の現状にマッチした運営を工夫されたり,準会員,特別会員などという形で一体的な運営が行われたりということで地域の特性を生かした地方会が誕生している.このことは大変重要なことであり,リハが多職種のチームワークを基盤として行われることを考えると,包括的な研究会等は今後も重要であり,いい形での解決がなされてきたと思う.
 このように全国横並びに地方会と呼称するにふさわしい組織は時期尚早ではないかという危惧を乗り越え,日本リハ医学会地方会が急速に整備されてきたことは喜ばしい.むしろ早めに行ったことがよかったという結果になった.これはひとえに会員諸氏の熱意の賜であろう.  

地方会の会員所属 

 さて,便宜上地方会はブロックごとに所属する県が指定されている.しかし交通の利便性や文化的つながりから言えば必ずしも適当ではない.例えば,静岡県は中部東海ブロックであるが三島や箱根は関東,豊橋は中部東海のほうが自然である.この点は随分議論されたが,現状では会員はどの県に住んでいようが,どの地方会に属してもかまわない.

地方会の役割 

 地方会は日本リハ医学会が公認したものであり,当然それなりの役割が期待されている.第一に地域の学術およびリハ医療の発展とレベルアップである.第二に地域の保健医療関係者および行政とのチームワーク作りである.この点では県単位またはさらに小域にある自然発生的な活力ある研究会・勉強会などとの連携も必要である.医療改革や介護保険の展開のなかで,正しいリハ医療の実践が望まれるが,地方会を軸とした現場に密着した活動が行われる必要がある.さらに地域の実情が日本リハ医学会にフィードバックされ,その事業方針決定に生かされることを期待したい.

地方会とリハ医学会の関係 

 社団法人日本リハ医学会との今後の関係はどうあるべきであろうか.
 1つは,地方会を社団法人日本リハ医学会と組織的にも予算上も組み込んで一体とするという考え方である.社団法人は社員(会員)の意向をどう反映させるかが重要な課題であることを考えると各ブロックから代表役員を送るなどのメカニズムは必要かもしれない.
 一方,行政組織ですら地方分権の時代である.まして学術団体であり,その守備範囲の医療も地域に密着した活動こそが日本リハ医学会の基盤であると考えると,地方会の自由な特徴ある活動こそがエネルギー源であり,組織化により起こりやすい硬直化は避けたい.地方会と日本リハ医学会がまったく対等な立場で連携し合うことこそがリハ医学・医療の発展に寄与するのではないかという思いもある.
 これからの地方会の発展に向け,これから議論していきたいと思う.会員諸氏の多数のご意見をいただきたい.

特集:地方会 地方会の実情

飛松 好子
広報委員会

 地方会の実情を知るために,広報委員会では各地方会に対してアンケート調査を行った(表参照).

地方会名 地方会事務局 会員数 財政 地方会になったことによる変化 学術大会 学術大会演題数
規模 活動 発表 運営 財政
北海道

北海道大学医学部リハビリテ-ション医学講座
〒060-8638 北海道札幌市北区北15条西7丁目
Tel 011-706-6066 Fax 011-706-6067

349 収支同等 拡大 活発化 向上 大変 不変 年3回 21題以上
東 北

東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテ-ション学科
〒981-8551 宮城県仙台市青葉区国見6-45-16
Tel 022-233-5913 Fax 022-233-5913

336 収支同等 不変 不変 不変 不変 不変 年2回 11~15題
関 東

横浜市立大学医学部附属病院リハビリテ-ション科
〒236-0004 神奈川県横浜市金沢区福浦3-9
Tel 045-787-2713 Fax 045-783-5333

250 収支同等 不変 不変 不変 不変 不変 年4回 11~15題
北 陸

金沢大学医学部保健学科
〒920-0942 石川県金沢市小立野5-11-80
Tel 076-265-2620 Fax 076-234-4372

179 黒字 縮小 不変 向上 不変 不変 年2回 10題以下
中部・東海 名古屋大学医学部保健学科
〒461-8673 愛知県名古屋市東区大幸南1-1-20
Tel 052-719-1343 Fax 052-719-1343
534 黒字 不変 不変 年2回 11~15題
近 畿 兵庫医科大学リハビリテ-ションセンター
〒669-2337 兵庫県篠山市山内町75
Tel 0795-52-7381 Fax 0795-52-7382
662 黒字 拡大 不変 向上 大変 豊か 年3回 21題以上
中国四国 川崎医科大学リハビリテ-ション医学教室
〒701-0192 岡山県倉敷市松島577
Tel 086-462-1111 Fax 086-462-1199
288 収支同等 不変 不変 不変 大変 不変 年2回 10題以下
九 州 産業医科大学リハビリテ-ション医学教室
〒807-8555 福岡県北九州市八幡西区医生ヶ丘1-1
Tel 093-691-7266 Fax 093-691-3529
634 収支同等 拡大 不変 不変 不変 不変 年2回 16~20題
  • 地方会に属する日本リハビリテーション医学会員(以下,リハ医学会員)は,3,232人であり,全会員9,125人のうちの35%に過ぎないことがわかった.
  • 年会費は1,000円から3,000円で,財政的には収支とんとんか黒字であり,赤字と答えた地方会はなかった.
  • 以前の組織から地方会に移行したことにより,正会員はリハ医学会員に限定されたが,そのことによる影響が散見された.北陸地方会では規模が縮小した.北海道地方会では活動が活発化したがその他の地方会では活動状況は不変であった.発表内容は不変か向上しており,水準は高まった傾向にある.しかし大半の地方会で運営が大変になったと答えた.
  • 地方会への移行によって,発表者がリハ医学会員でなければならないことになったが,どの地方会も規約を遵守していた.非会員の発表については,北海道では併設される道リハ学会の発表として行われていた.中国四国地方会も同様であった.東北地方会からは,準会員(B会員)の筆頭発表も認めたらどうかという意見が出された.
  • 学術大会開催に関する問題点としては,参加者が少ないと答えた地方会が3,演題数が少ないと答えた地方会が3,運営が大変2,財政困難が2であった.
  • リハ医学会に望む声や意見として,会費の援助(北海道),リハ医師の自覚の低さ(北海道),地方会を多職種間の意見交換の場にしたい(東北),事務局をリハ医学会にして欲しい(関東),地方会発表を研修単位にしたい(中部・東海),地方会現況を学会誌に載せて欲しい(中部・東海),地方会への情報(近畿),名簿を希望(中国四国),演題数が多く時間が足りない(九州)であった.また,中部・東海と北陸との間では,交通の便のことから,医師は地域割りどおりにはその地方会に参加していないようであった.

 以上,アンケートからうかがえる地方会の考えるべき点としては,①組織率の低さ,②他リハ職種との連携の問題,③リハ医学会との関わり等があげられる.

新理事会発足

理事長 挨拶

日本リハビリテーション医学会理事長 千野 直一

 平成12年度の役員改選により,私が再度理事長職を仰せつかることになりました.これからの2年間の学会運営に関しまして,皆様のご指導,ご協力を賜わりますよう宜しくお願い申し上げます.

 21世紀へ向けて,過去2年間,病床群分類,診療報酬点数改正,ドクターフィーの導入,介護保険制度実施などに関しての要望を厚生省,日本医師会へ,また,国公立大学医学部・医科大学附属病院に「リハビリテーション科」標榜科の設置とリハ医学教育充実の要望を文部省に行ってきました.しかしながら,医療法改正の多くが2年後の平成14年度へと先送りとなり,ここ数年は先の見えない不透明な時代を乗り切らなくてはなりません.今は「リハビリテーション科学」が文部省科研費の新規細目として採択されることを祈るばかりです.今年度は3年時限の「リハビリテーション科学」の項目がなくなっていますが,11月に予定されている科研費の応募には,皆様の多くの申請をお願いいたします.

 さて,現在,本医学会が対処しなければならない課題として以下のものがあります.

 第1は,学際的なデータを構築し,介護保険制度のよりよい運用に寄与することです.リハ医学の基本的研究課題である,運動・認知機能の客観的評価法が,介護保険制度の施行に必要な要介護認定や介護実践の効果判定に応用されなければなりません.

 第2として,患者に優しい医療が求められていることです.そのためには今までより以上に,科学的根拠に基づいたリハ医学・医療,すなわち学会としてEBRM(evidence-based rehabilitation medicine)を発信する責任があります.

 第3は,国際化にむけての体制づくりです.新たな国際リハ医学会ISPRM(Int Soc Phys Rehabil Med)の第1回学術集会が2001年7月にオランダで開催されます.日本リハ医学会はアジア太平洋諸国をまとめる要と期待されており,本年度中にアジア諸国を中心とした国際シンポジウムを開催する予定です.一方,ようやく本医学会でも外国人会員の推薦,海外学術交流派遣への奨励金,学術研究助成基金設立など,国際化とあわせて研究面での充実を図れる体制が整いつつあります.

 第4として,多様な情報を広く,迅速に提供する方策です.本医学会は昨年4月より「リハニュース」を刊行し,また,本年1月よりホームページを開設し,会員の方々へ最新の情報を発信する方策を構築してきました.これからは,さらにその内容のレベルアップを図る必要があります.

 第5は,本医学会運営の検討です.将来の代議員制度導入や地方会の在り方を検討したり,また,諸医学会の在り方を参考にしながら本医学会の運営方針を見直す時期に来ていると考えております.

 このように,懸案事項は山積しておりますが,本医学会のさらなる発展のために微力ながら全力投球する覚悟でおります.会員の皆様のご協力を重ねてお願い申し上げます.

INFORMATION

編集委員会

委員長 里宇明元

 編集委員会では,会員から寄せられる貴重な投稿論文の審査と学会誌の編集をその業務の核としながらも,現在,以下のような活動を行っています.

  1. 年間優秀論文表彰制度の創設が本年度の総会で決定されたことを受けて,選考内規案づくりに取り組んでいます.優れた論文が多数投稿されるきっかけとなることを期待しています.

  2. 英文投稿規定の作成:honoraryおよびcorresponding membersからの投稿を受けられるようにすること,および,学会誌の国際的認知度を高めることを目的に,現在の和文投稿規定をもとにUniform Requirements for Biomedical Journalsの尊重やpeer review journalであることを盛り込んだ英文投稿規定案の作成にとりかかっています.

  3. 学会誌掲載論文の認知度を高める手段の1つとして,国立情報学研究所が運営する電子図書館サービスへの参加の可能性を検討しています.

 その他,より迅速かつ公平な査読システムへの改良,将来の電子出版やオンライン・ジャーナル化の可能性の検討,そして長年の懸案事項であるMEDLINE収載の問題など,未来に向けてのさらなる発展のために,編集委員一同作業を分担しながら努力を重ねております.最近,編集委員会の終了時刻が遅くなりがちなことを何とかしなければ.

評価・用語委員会

委員長 大橋正洋

 担当理事について,眞野理事から蜂須賀理事へ交代があり,委員長は互選により,大橋が選任されました.

 前年度からの継続事項に,国内外リハ医学関連雑誌で使用されている評価方法についての調査活動があります.1999年度の調査が終了次第,前年度同様に,リハ医学会誌に調査結果を発表する予定です.また調査結果を個人で検索したい会員の便宜を考えて,データベースファイルの配布方法を検討中です.この調査活動は,2000年度も継続する計画です.

 用語集改訂作業については,評議員101名(51%)の先生方からご意見をいただいて,その結果はリハ医学誌37巻10号に掲載しました.また,一般会員諸先生からの追加意見を学会事務局までお寄せいただく方針です.

 今後,当委員会は,上記の評価方法調査,用語集改訂作業に加えて,新たな活動を加えるべきかどうかを検討します.例えば,新たな活動として,用語や概念の整理作業が考えられています.当委員会が行うべき活動について,会員各位よりご意見,ご提案を委員長宛お寄せいただけると幸いと考えています.

認定委員会

委員長 出江紳一

 リハ医学会専門医制度には,5年の研修の上で口頭試験による「専門医-1」と,10年以上のリハ医療の経験を有し書類審査による「専門医-2」があります.

 「専門医-2」はある特定の分野に秀でるリハ専門医を認定する制度でありましたが,受験者の若年化,合格率の低下(本年度は約20%),他学会の専門医制度との整合性の問題(専門医は試験制度が必要)が生じています.

 昨年「専門医-1」の受験資格拡大のため,研修会で研修期間や経験症例を置き換える特例措置を開始しました.本年度は「専門医-1」受験者の9名が利用されています.

 そこで,委員会で「専門医-2」審査終了についての検討が始まり,本年4月に評議員に対してアンケート調査を行いました.評議員195名中160名より回答が得られ,132名(83%)の先生方が審査終了に賛成していました(リハ医学37巻9号558頁).その結果を委員会で慎重に検討し,理事会に「専門医-2」審査終了についての意見を提出,理事会で報告されました.現在,委員会では終了時期について検討に入っております.この件に関して,次年度の総会に諮る準備をすることになりました.

障害保健福祉委員会

委員長 伊藤利之

障害保健福祉情報(2)~今,何が問題になっているか?~ 

身体障害者福祉法の「障害認定のあり方」を検討中! 

 介護保険制度の導入に伴い,障害者向けのサービスとしてもケアマネジメントが必要であるとの立場から,現在,各地で障害者版のケアマネジャー養成研修が行われている.これは,「障害者に対する介護サービスについても,高齢者に対するサービスと遜色ないものにする」という趣旨から,介護保険と障害者基本法との整合性を保つために必要な施策である.しかし,この施策は同時に,2005年の介護保険の見直し時期に合わせて,障害者に対する「介護サービス」も社会保険方式を取り入れて充実すべきだという動きに繋がっており,その関係からも,身体障害者福祉法における「障害認定のあり方」の見直しが迫られている.

 一般に,われわれ臨床家が「障害認定のあり方検討」と聞くと,「身体障害者認定基準―障害程度等級表―」の見直し論議かと思うが,現段階において厚生省が行おうとしている「あり方検討」は,「身体障害者認定基準」のような「施行規則」やそれに伴う「厚生省社会局通知」の内容を見直すという細部にわたるものではない.「身体障害者福祉法」が内包している「リハビリテーションに関するサービス」と「介護サービス」の大枠をどのようにするかという議論であり,「障害認定の範囲や認定方法」に関する検討が焦眉の課題とされている.

 そこで,障害保健福祉委員会としては,現在「障害認定のあり方」に関する意見のとりまとめと,われわれが直面している現場の課題として,「身体障害者認定基準―施行細則&社会局長通知」の問題点を検討しており,今年度中にその検討結果を厚生省に提案するとともに,会員の皆様に広報する予定である.

関連機器委員会

委員長 赤居正美

 リハ医学会に先立ち,去る6月21日に本年度第1回の委員会を開催し,新委員長選出および平成12年度活動計画について審議を行いました.

  1. 岩谷力委員長,山内繁委員の任期満了につき,原田孝委員が新たに選出され,新委員長は赤居正美委員に決定.その後新担当理事は岩谷力理事に決定しました.

  2. これまでの経過報告をふまえ,平成12年度の活動計画は
     (1) リハ機器に関する用語の整理
     (2) 運動療法機器の分類:これまで学会で行われた物理療法機器分類の経験をもとに,複数年にわたる調査計画(予算処置を含む)を立案する予定.
     (3) リハ機器に関するWeb Site集の作成:関連諸機関のWeb Siteとリハ医学会のホームページとのリンクについて調査を行う.
     (4) 義肢装具(広くは福祉機器)についての将来計画の検討

  3. 委員会の日程:上記の活動方針のもと,年4回程度の委員会開催を計画.今回の6月に引き続き,9月,11月,来年2月を予定しています.

第38回 日本リハビリテーション医学会 学術集会

21世紀への船出―リハビリテーション医学の充実と普及―

 

会 期:2001年6月14日(木)~16日(土)
会 場:パシフィコ横浜
主 題:リハ医療の地域的体系化
     リハ医学におけるリスク管理
     脳外傷のEvidence Based Rehabilitation
同時開催:市民参加企画
    おいでよ!近未来的仮想ヒューマンシティ
    ―未来の街はこんな街―
大会長:安藤德彦(横浜市立大学医学部教授)
事務局:横浜市立大学医学部リハビリテーション科
    〒236-0004 神奈川県横浜市金沢区福浦3-9
    Tel 045-787-2713 Fax 045-783-5333
    E-mail: rehab@med.yokohama-cu.ac.jp
    HP: www-user.yokohama-cu.ac.jp/~rehab/
招待講演(仮題)
  1. Cognitive Remediation for TBI Patients
      Yehuda Ben-Yishay(New York University)
  2. Recent Progress in Neuromuscular Rehabilitation
      David D. Kilmer(University of California)
国内招待講演(検討中)
会長講演
シンポジウム
  1. 21世紀のリハビリテーションシステム
  2. 脳外傷のリハビリテーション Outcome Study
パネルディスカッション
  1. リハ医療におけるリスク管理
  2. 地域リハと介護保険―1年を振り返って―
  3. 脳卒中リハビリテーションの新技術
  4. 東アジアにおけるリハビリテーション医学教育
    (海外招待演者2名予定)
  5. 骨と関節の10年:パネルディスカッション
公募ワークショップ
  1. 脊髄損傷のOutcome
  2. 大腿骨頚部骨折のクリニカルパス
  3. 神経難病の評価
  4. 嚥下障害の治療
  5. MEPの臨床応用
  6. 動作解析の臨床応用
  7. スポーツ外傷のリハビリテーション などを予定
生涯教育研修講演 8題(予定)
セミナー     5題(予定)
市民公開講座・看護フォーラム(検討中)
一般演題登録締切:2001年1月31日

会長挨拶

第38回日本リハビリテーション医学会学術集会を平成13年6月14日(木),15日(金),16日(土)に,パシフィコ横浜で開催させていただきます.日本リハ医学会は会員数が9,000人を越え,学会発表も700に迫る応募演題が寄せられるようになりました.これからはさらに質的充実を図るべき時期だと思われ,テーマを「21世紀への船出―リハビリテーション医学の充実と普及―」としました.
 リハビリテーションは世間に広く知られるようになりましたが,専門医を含むリハスタッフが充足している一般医療機関はまだ少数です.医療機関の治療日数は次第に短縮しつつありますが,短い期間で有効なリハビリテーションを行うことが後遺症を残さず早期に退院できるかどうかを左右するので,発病直後の救命救急処置と並行してリハビリテーションも開始することが非常に重要です.一方,重度の運動麻痺例,高次脳機能障害合併例では長期間のリハビリテーションを必要とします.これに対しては専門の医療機関に移行してリハビリテーションを続ける必要があります.この場合に一般医療機関とリハビリテーション専門医療機関との連携体制の構築が要になります.今回はこれらの課題を技術確立とシステム構築の両面から検討したいと考えています.
 横浜はパシフィコ横浜を中心にみなとみらい21地区の開発計画が進んでおり,さらに大きく発展しようとしています.新幹線新横浜駅,羽田空港との交通の便も大変よくなりました.多数の皆様のご来場をお待ちしています.

(横浜市大 安藤德彦)

医局だより

高知県立療育福祉センター

 肢体不自由児施設・子鹿園は,42年余りの歴史の幕を一旦下ろし,平成11年4月より多くの機構を付加して高知県立療育福祉センターと改名,再スタートしました.

 従来の肢体不自由児施設部門に加えて,身体障害者および知的障害者更生相談所・難聴幼児通園センター・児童相談所障害児部門といった5つの機関が統合され,肢体不自由児・者と知的障害児・者の医療と相談を同時に行う病院と福祉の双方の機能を持ちました.

 この背景には,従来の小児整形中心の医療ニーズが減少して,相対的に脳性麻痺等の中枢性の様々な障害が重複した子供への多角的で包括的な医療対応が必要とされることが多くなったこと,運動以外の知的障害を持った方々,なかでも言語・行動面での問題を持った自閉症などの発達障害児への医療や教育,福祉面での対応をより充実させることを求められるようになったことが挙げられます.一方で利用者側からも,障害の種別や行政機関の仕切りの壁を減らして,より利便性を向上してほしい,医療や福祉面の相談を充実してほしいという県民の声が多くあったこともこのセンター化の大きな推進力となりました.

 リハ医としての対応は,今までの肢体不自由児施設(入所児と外来)中心の小児リハから,在宅障害児・者への医療・福祉・教育への支援や地域の身体知的障害児・者福祉施設や学校・保育所に対する地域支援への比重が増し,児童相談所と更生相談所両方の手帳や障害児就学相談と各種施設入所,補装具の判定業務の依頼も必然的に増しています.

 現在,常勤医はわずかに整形外科医3名(内リハ専門医2名)と精神科医1名です.他に小児科非常勤医4名,歯科と耳鼻科非常勤1名の支援を仰ぎ外来をすべて予約制で行っていますが,諸先輩が培ってきた療育の伝統と信頼が高知県下に浸透しているためと,他に類似の小児の総合的なリハ専門施設がないことから,整形外科医や小児科医から,学閥や病院の枠を越えて多くの患者さんが紹介されてきます.

 今後,各種リハ処方を行うにあたって,事前の診察でそれぞれに適切なリハ評価を行った上でその問題点を捉え,行った治療による変化を検証することを入念に実施するためには,幅広い医学的知識と専門性の一層の研鑚が欠かせません

 小児整形と幅広い障害児・者に対する地域リハを中心に据えて,利用者の側に立って,障害者に対するきめの細かい対応を第一にと心がけています.

(高橋義仁)

高知県立療育福祉センター
〒780-8081 高知市若草町10-5
Tel088-844-1921,Fax088-844-1097
E-mail: yoshihito_takahashi@ken3.pref.kochi.jp

東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座

 東京慈恵会医科大学は,明治14年に高木兼寛先生が成医会を発足されたのが始まりで,開学以来119年の歴史があります.現在,附属病院は4病院あり,日本の大学病院の中でも屈指の規模となっています.

 リハ科は,米本恭三教授のもと昭和58年に特設診療科として設置され,診療が始まりました.昭和63年には,リハ科が正式に講座として認められました.日本で6番目にできたリハ医学科の講座であり,米本恭三教授が初代の主任教授に就任し,平成10年度より宮野佐年教授が2代目の主任教授となり現在に至っています.

 平成12年度現在,医局員の総数は,宮野佐年教授・猪飼哲夫助教授・大橋正洋助教授をはじめ,40名(専門医19名,認定医4名)になります.また研修施設としても,東京都リハ病院,神奈川総合リハセンター,東京逓信病院,都立豊島病院をはじめとし14あり,大きな医局となってきました.

 医局は,東京多摩地区に位置する東京慈恵会医科大学第三病院にあり,リハ科専門病床が27あります.大学病院のコメディカルは,ST4名・OT6名・PT34名がリハ科に所属しています.第三病院の一日当たりの外来患者数は約100名,骨関節疾患が約半数を占めています.それとは対照的に入院患者は約70%が脳血管障害です.

  我々医局のあり方は,学祖高木兼寛先生の『病気を診ずして病人を診よ』の精神に則って,プライマリ・ケアに要求される医学的知識と技術はリハ医学を身につけるための土台と考え,すべての医局員が患者の全身管理ができることが先ず必要です.また種々の疾患の機能障害・能力低下のリハ治療と社会復帰を基本としたQOLの向上を目標としています.

 毎週火曜日には医局会があり,毎週土曜日の昼にランチョンミーティング,第3週の土曜の午後には,リサーチの検討会つまり各機関で行っている研究の報告会を開いており,遅くまで質疑応答をしています.第1週の水曜日には大学病院のコメディカルと症例検討会を行っています.また,整形外科・脳神経外科・神経内科などの先生方とも毎週定期的にカンファレンスを行っています.他大学のリハ科との交流も盛んで第4週の水曜日には,慈恵医大・防衛医大・昭和大・千葉大などの先生方が中心となってRJCという勉強会(本年7月で第147回)を開いています.

 レクリエーションも盛んで,年2回のゴルフコンペはじめ,各種コメディカルや他科の医師との親睦を深めるため,いろいろな会を催しています.

(安保雅博)

東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座
●本院/〒105-8471 東京都港区新橋3-19-18
Tel03-3433-1111,Tel03-3435-1922
●第三病院/〒201-8601 東京都狛江市和泉本町4-11-1
Tel03-3480-1151,Fax03-5497-4120
E-mail: jikriha-adm@umin.ac.jp

第12回 リハ・カレントトピックス&レクチャー

日本リハビリテーション医学会 専門医会学術集会 ―カレント大阪冬の陣迫る―

当番幹事 住田 幹男(関西労災病院リハビリテーション科) 

 来る11月18日(土),19日(日)の2日間,新装なった大阪市大医学部講義室で開催予定の学術集会は2000年ミレニアムの締めくくりとして約500名規模の学会として行われる.大学・リハセンター協議会と共催,教育委員会教育研修会を併設してプログラムを準備している.

 従来の集会との主な変更点は,第1に学術集会としての色彩を強め,専門医の研究内容をアピールしていただくこととし,現在14演題がエントリーされている.いずれもリハ医学会学術集会の場では時間的制約もあってdebateが設定できにくい高い内容のものである.

 第2は,シンポジウム(18日)として「リハ専門医制度を問う」のタイトルで3時間の討論を準備している.特に,専門医の役割を多面的に検討しようという趣旨で,認定委員会,生涯教育委員会,Taskforce委員会,学会制度,リハ専門医会,大学・リハセンター協議会から6名の演者を用意している.会員諸氏の活発な討論を期待している.

 第3には,教育委員会への支援として,19日300名収容の大講義室で,リハ専門医のなかでも最もアップデートな研究,臨床内容として評価されている4演者から,主に認定臨床医を対象とした講演を予定しており,研修単位として4単位が与えられることになっている.研修単位と履修費については,リハ医学誌(37巻6号掲載)での案内で多少混乱があったが,一括5,000円とし,会場の制約から荒巻駿三近畿地区教育委員への事前エントリー制となっているのでご注意いただきたい(詳細はリハ医学37巻9号554頁,10号630頁参照).

 一方,19日同会場の200名収容の中講義室では,専門医のコースレクチャーが同時進行しており,認定臨床医の先生方のカレントトピックスへの参加も期待している.なおカレントトピックスのみの参加は,2日間で従来通り1単位である.

 第4として,一番肝腎なことであるがリハ専門医会の規約改正の継続審議が行われる.去る6月のリハ医学会でも討議されたが(リハニュース6号参照),起草委員会から新たな提案がされる予定であり,今回は一番討議しやすい時間帯である2日目の19日に,11時30分より45分間,場合によっては時間の延長もできるように配慮している.

 21世紀初頭のリハ医学会の命運を占う意味でも特に重要と考えるので,当日参加できない会員諸氏からも各地区医員を通じて,あるいは当番幹事まで意見を伝えていただきたい.

 20世紀の終わりを締めくくる重要な大会として実りあるものにできるよう,事務局も準備を重ねており,諸先生方には演者や座長の依頼に際しては快くお受けいただきたい.

 大阪は,大阪市大・大阪大学教授であった故水野祥太郎教授が第1回日本リハ医学会を主催された記念すべき場所である.また天王寺地区は,北には通天閣,電気の町日本橋,若者の街ミナミに近く,JRや地下鉄,南海電車,近鉄電車など南の玄関口で交通の要衝でもある. …大阪の地での再会を祈念しつつ.

大学・リハセンター連絡協議会●ワークショップ●
(大阪市大医学部4階:13時~14時25分)

部会 会場  
国立部会 第1会場
(中講義室)
  1. 病院経営から見た大学リハ部門の検討:渡部一郎(北海道大学リハ科)
  2. 大学リハ部門におけるリスク管理:下堂薗恵(鹿児島大学リハ科)
公立部会 今回は開催しません  
私立部会 第2会場
(大講義室)
―在院日数2Wに向けて―私立大学リハ科の戦略
  1. リハ医の役割は:佐伯 覚(産業医科大学)
  2. リハ科の役割は:古市照人(独協医科大学)
  3. 病・病連携は:塚本芳久(川崎医科大学)

事務局コーナー

住所等変更届けは速やかに

事務局長 鈴木利次

 有楽町線小竹向原駅から事務局までの小茂根の煉瓦通りは,とてもきれいな桜並木でちょっとした散歩コースです.事務局を訪ねて来こられた方から,「静かで環境がとっても良いところですね」と言われております.◆4月からリハ医学会にお世話になり6カ月が過ぎました.少しでも会員皆様のお役にたてるよう日々努力しているところであります.◆辞令を頂戴し初めて机に座った時は,仕事のやり方は全てパソコンの中に在り,パソコンを開いて確認し,理解するのも大変なことでした.◆本医学会の一番大事な通常総会,評議員会も無事終わり,新しい役員のご教示を賜りながら,通常業務の傍ら,リハ医学会事務局の事務改善を,従来のやり方にとらわれず気がついたところから進めております.◆着任した当時は電話が多く,どうしてこんなに多いのか不思議でした.電話の内容については,会員の皆様が書類提出に際しての質問,会員番号,取得した認定単位数,会費納入の確認,学会入会日等々が多く,学会誌での分かりやすい説明の工夫や,事務局に登録されている会員の情報を,本人にお知らせして,確認すること等も考えております.◆会員の皆様が,基本的な住所の変更,勤務先等身分に係わることは必ず変更届けを速やかに提出してくださるよう,この場を借りてお願いいたします.せっかくお送りした学会誌や郵便物が戻ってくることが多く,事務局はもとより本人が一番困っていることと思います.◆事務局の職員は,学会活動の事務的部分をお手伝いさせていただいておりますが,会員皆様の御協力がどうしても必要です.ご理解のうえよろしくお願いいたします.◆また,皆様からの御意見もお待ちいたしております.