サイト内検索

会員のページ

リハニュース No.9

2001年4月15日

  1. 認定臨床医:資格更新のお知らせ

  2. 第38回日本リハビリテーション医学会学術集会開催のご案内

  3. ミレニアムシンポジウム:2001.2.16-17

  4. INFORMATION

    編集委員会

    教育委員会

    認定委員会

    社会保険等委員会

    関連機器委員会

    国際委員会

    地方会等検討委員会

    中国・四国地方会

    中部・東海地方会

    近畿地方会

    九州地方会

  5. 医局だより

    医療法人社団寿量会熊本機能病院

    日本医科大学リハビリテーション科

  6. 平成12年度海外研修助成:研修印象記

  7. 専門医コーナー:ご挨拶

  8. 事務局コーナー

  9. 広報委員会より

認定臨床医:資格更新のお知らせ

認定委員会 担当理事 三上 真弘

 日本リハビリテーション医学会認定臨床医制度は昭和63年に発足し,その資格更新制度は平成4年4月から開始されました.資格を更新するためには10年間で40単位を取得することが定められています.したがって平成4年3月以前に認定臨床医となられた先生は平成14年3月末までに40単位を取得し,第1回目の更新が行われることになります.第1回目の更新の対象者は約3,200名で,先日平成11年度までの取得単位を郵送でお知らせしました.まだ取得単位の少ない方がかなりいるようですので頑張っていただきたいと思います.来年の更新を控えていろいろわからない点があると思いますので,以下にQ&A形式でお答えしたいと思います. >>取得可能な研修会一覧

Q:更新手続きはどのようにすればよいのでしょうか.

A 平成14年3月までに40単位を取得された方には事務局より更新手続きの書類をお送り致します.ただし,自己申告分がありますのでその集計が終わる7~8月頃になる見込みです.また平成12年度までに既に40単位を取得された方は早めに手続きをしていただきたいと考えておりますので,平成12年度の集計が終わり次第,すなわち平成13年7~8月頃に書類をお送りし手続きをお願いする予定です.

Q:更新に際し手数料が要るのでしょうか. 

A 事務に費用がかかりますので更新手続き料をいただく予定ですが,ただ今,金額については検討中です.

Q:単位が不足した場合はどうなるのでしょうか. 

A 単位が不足した場合は残念ながら認定臨床医資格は継続できません.ただし,長期療養していたとか外国に留学していたなどのはっきりした理由があれば事務局まで申し出てください.認定委員会でそれぞれの事例について検討し更新の時期を延長するなどの救済処置を取りたいと思います.できるだけ多くの認定臨床医に更新をしていただきたいと願っていますので,教育委員会では平成13年度中に2日間で8単位程度の単位が取れる研修会を東京,大阪,九州で開催するように企画しています.日時,会場は学会誌でお知らせ致しますのでご注意ください.また,今年横浜で開かれる第38回日本リハ医学会学術集会でも最大6単位の取得が可能です.

Q:単位を沢山取得した場合,40単位を超えた単位は次に持ち越せるのでしょうか. 

A 資格更新には最低40単位が必要ということですので,次の更新は平成14年4月より単位数0で始まり,また10年で40単位の取得が必要になります.

Q:いわゆる定年制はないのでしょうか. 

A 今のところ,ある年齢に達したら更新を免除するという制度はありません.日本リハ医学会の認定臨床医の資格更新制度は10年ですので,たとえば65歳で免除するということになると55歳以上では単位を取得しないでよいということになってしまい問題があると思われます.しかし定年制の導入を希望する意見もあることは確かですので,今後他学会の動向もふまえて検討していくべき課題であると考えています.

Q:専門医で認定臨床医の資格を失うとどうなるのでしょうか. 

A 認定臨床医でないと専門医にはなれませんので,認定臨床医の資格を失うと専門医の資格も失うことになりますのでご注意ください.

第38回日本リハビリテーション医学会学術集会開催のご案内

第38回日本リハビリテーション医学会学術集会 会長
安藤 德彦(横浜市立大学リハビリテーション科)

 学術集会は「21世紀への船出,リハ医学の充実と普及」の主題で,平成13年6月14~16日にパシフィコ横浜で開催します.主題に沿って座長に企画立案をお願いしてシンポジウム2題,パネルディスカッション5題を組み,加えて特別講演と特別座談会,招待講演2題,公募ワークショップ7題を設定しました.

 1月末で一般演題の応募を締め切り,プログラム委員の先生方にお願いした査読結果を整理している段階です.600題余の沢山のご応募に謝意と敬意を申し上げます.先生方のご期待を反映できる学術集会にすべく横浜市大リハ科一同は最大限の努力をしております.

 シンポジウム「リハシステム」は診療各科・救命センター,医療機関相互,福祉施設・地域リハとの連携を討論し,さらに広い視野から一橋大学でマクロ経済学,医療経済学がご専門の鴇田忠彦教授にご意見を頂きます.「脳外傷」は救命治療から社会的自立まで包括的リハが必要です.連携システムと高次脳機能障害認定基準,職業復帰,国のモデル事業,米国のリハプログラムをご紹介頂きます.

 パネルディスカッション「リスク管理」では実態把握,事故対策,安全対策をご討議頂きます.「地域リハと介護保険」は通所系・訪問系サービスの現状,行政組織・地域ケア機関の連携,小都市の地域リハ,県の地域リハシステム,介護保険下の地域リハの進捗状況・推進方策・位置づけをご報告頂きます.「脳卒中リハの新技術」はヒューマノイドロボットの可動域・痙縮・歩行の改善と効果発現機序,TESの麻痺改善・機序・FES臨床応用,蛋白同化ホルモンとサイベックスによる筋力増強訓練,上肢エルゴメーターの開発・特色・効果の検証をご報告頂きます.「アジアのリハ医学教育」は日本・中国・韓国・タイの教育に直接携わる先生方に現状報告・課題分析・展望を述べて頂きます.討論を通じて近隣諸国の協力関係構築に期待しています.「骨関節の10年」では骨折,脊椎損傷,リウマチ,変形性関節症,理学療法をご討論頂きます.

 公募ワークショップは脊髄損傷のoutcome,大腿骨頚部骨折のクリニカルパス,神経難病の機能評価,嚥下障害の治療,MEPの臨床応用,動作解析の臨床応用,スポーツ外傷のリハを予定しています.

 特別講演は上田敏先生に障害概念の意義,国際障害分類の構築の歴史・課題・問題点・展望に触れて頂きます.特別座談会ではリハ専門医の立場から障害の本質・概念・範囲・評価などの課題・展望を自由な立場からご討議頂きます.招待講演ではNew York大学のYehuda-Ben-Yishay 先生にCognitive Rehabilitation の講演をお願いし,California 大学からリハ部のDavid D. Kilmer 先生をお招きして神経筋疾患のご講演をお願いしています.

 リハに携わる医師の知識・技術の維持・向上も重要課題です.モーニング・ランチョン・イブニングセミナーを平日に,生涯教育研修会を会員の参加しやすい土曜日に多数開催してリハ医学会会員のご要望に応えます.

 横浜はパシフィコ横浜を中心にみなとみらい21地区の開発計画が進んでおり,さらに大きく発展しようとしています.新幹線新横浜駅,羽田空港との交通の便も大変よくなりました.多数の皆様のご来場をお待ちしています.

ミレニアムシンポジウム:2001.2.16-17

実行委員 小池純子

 暖冬という長期予報に反し,久しぶりに冬らしい寒さで迎えた新世紀でしたが,シンポジウム当日の東京地方は寒さも和らぎ,穏やかな日和のうちにアジア14の国と地域から23名のguest speakerを迎えることができました.

 総参加者数178名,特別講演を含めた12のセッションで構成されたシンポジウムに69演題が発表され,活発な討議,意見交換が行われました.また,social programとしてReception, Welcome partyを設けましたが,多くの会員が参加され,懇親を深めました.

 昨年6月23日,第37回日本リハ医学会総会で国際シンポジウムの開催が承認され,同年10月7日実行委員会を立ち上げ,以来9回の実行委員会を重ねて準備を進めてまいりました.この短い準備期間にもかかわらず,無事シンポジウムを開催できましたのは,地方会,研修会の合間をぬって駆けつけ,座長の労をとられた12名の会員,シンポジストを快く引き受けていただき演題を用意された35名の会員,シンポジウムの運営・進行をお手伝いいただいた東大,慶應大,慈恵医大,防衛医大,横浜市大の医局の方々の無償の協力のお陰であります.この場を借りて心よりお礼申し上げます.

(実行委員 小池純子)

  • シンポジウム会場:都市センターホテル
  • セッション内訳:シンポジウム4セッション(Rehabilitation Today, Postgraduate Training, CBR, International Cooperation),演題数23+α(飛び入りの短い発表あり),一般演題7セッション(Hot Research Topics, Spinal Cord Injury, Stroke, Pain Management, Pediatric Rehabilitation, Amputation, Orthopedic Rehabilitation):演題数45,特別講演1セッション(ICIDH)1演題.
    ※登録演題数73題,欠演4題
  • 参加者内訳:guest speaker 23名(登録26名,キャンセル3名):インドネシア,サウジアラビア,韓国,クウエート,マレーシア,中国・香港・マカオ,フィリピン,シンガポール,台湾,タイ,ベトナム),日本人speaker36名,座長23名(うち日本人12名),役員16名,名誉会員4名,一般会員102名,実行委員6名,参加者実人員188名
  • Social Program: Reception 2月16日(18:30~20:00)706号室(7F),Welcome Party 2月17日(18:00~20:00)Cosmos Hall(3F)

INFORMATION

編集委員会

委員長 里宇明元

日本リハ医学会論文賞の創設 

 常日頃より,編集委員一同,「優れた論文を少しでも多く掲載し,リハ医学の発展に役立ちたい」との思いで,真剣に論文審査に取り組んでおりますが,委員会では以前から優秀論文の表彰などを通して,投稿者の努力に報いられないかという話がでておりました.このような中で,平成12年度通常総会において,日本リハ医学会論文賞の創設が承認され,当委員会では選考内規を他学会の動向なども参考にしながら検討してまいりました.このたび論文賞選考内規が役員会の承認を受け(内規の詳細は学会誌に掲載予定),早速選考委員会が発足し,平成12年中の掲載論文を対象に選考作業に入っております.少しでも選考の透明性,公平性を保つべく,テーマの独創性・重要性,研究デザイン,データの提示・解釈,論文の完成度の各項目についてスコア化し,最優秀論文賞,優秀論文賞および投稿時点で35歳以下の若手を対象とする奨励論文賞の3賞の候補を選考し,役員会に答申後,最終決定が行われます.受賞者には総会で賞状ならびに賞金(10~20万円)が授与され,その栄誉が讃えられます.この名誉ある賞をめざして,よい研究をどしどし学会誌に投稿していただき,われわれ編集委員(兼選考委員)の頭を悩ませてください!

教育委員会

委員長 間嶋 満

 1. 平成14年度の医師卒後研修会の内容が決定しました.
 第58回:脊髄損傷(東海地区で開催予定,平成14年7月)
 第59回:小児(大阪で開催予定,平成14年11月頃)
 第60回:骨・関節疾患(東北地区で開催予定,平成15年3月頃) 

 2. 平成13年度には,認定臨床医を対象とした生涯教育研修会が,東京,大阪,九州の3地区で,各地区ともに2日間の日程で開催されます.この2日間で8単位が取得可能となります.平成14年度には認定臨床医の第1回目の資格更新が実施されますが,これを機会に取得単位が不足している方は単位不足の解消を図ってください. 

認定委員会

委員長 出江紳一

2000年度の認定状況 

 認定委員会では認定臨床医,専門医,および認定研修施設の認定を行っています.今回は2001年度最初のリハニュースですので,2000年度の認定状況をお知らせしたいと思います.認定臨床医は75名が認定され,合計5,073名となりました.専門医は35名が認定され(専門医1が32名,専門医2が3名),合計で745名です.認定研修施設は22施設が認定され,合計で343施設が稼働しています.認定委員会は10名の委員と担当理事,そして事務局担当者が出席して開かれていますが,認定臨床医試験問題の作成や専門医1の口頭試験では多くの特別委員の方々にご協力を戴いており,この場を借りてお礼申し上げます.またこれから特別委員を委嘱する会員の皆さまには宜しくご支援をお願いしたいと存じます.ここでは紙面の都合で,2001年3月2日に行われた専門医1口頭試験の特別委員のお名前のみ記します:(50音順,敬称略)浅山 滉,岩崎敬雄,岡島康友,梶原敏夫,佐鹿博信,首藤 貴,住田幹男,椿原彰夫,道免和久,飛松好子,蜂須賀研二,原 寛美,前島伸一郎,水落和也,水間正澄,門司順一,山口昌夫,里宇明元.

社会保険等委員会

委員長 本田哲三

 社会保険等委員会では,主に次の6項目につき活動をしております.各事項につき現状を報告します. 

  1. 医療保険に関して:平成13年度の対内保連,外保連への要望につき各小委員会を設置して項目を絞り込んできました.委員会案作成の最終段階の作業中です.

  2. クリニカルパスに関する検討:すでに全国アンケート調査が終了し,現在集計中です.今後本学会で報告する予定です.

  3. 介護保険現状調査について:アンケート内容の最終チェックの段階となっています.近々全国研修施設に調査をお願いする予定です.

  4. 回復期リハ病棟について:アンケート内容と調査対象施設について現在検討中です.

  5. 診断群別包括支払い制度の検討:将来の我が国への導入を見据えて,欧米の現状について資料を検討しています.

  6. 社会保険に関する4団体との協議:平成12年12月8日,平成13年2月9日の2回にわたりリハ関連4団体(理学療法士学会,作業療法士学会,言語聴覚士および義肢装具士協会)と医療保険報酬改定に向けて協議しました.

関連機器委員会

委員長 赤居正美

 2000年9月9日(土),12月9日(土),2001年3月16日(金)に本年度第2,3,4回の委員会を開催し,審議を行いました.

  1. リハ機器に関する用語の整理:各委員には福祉機器コード表改訂版CCTA2000のファイルを送付し,これを参考にリハ機器に関する用語を抜き出しました.分量の関連から,4段階(掲載必須-不要)の基準で抽出を行い,必須と判断された130余の関連用語を検討中.用語集に向けては評価・用語委員会との調整を行うこととしました.

  2. 運動療法機器の分類:機器カタログなどの参考データはごく乏しいことが判明したため,各種教科書から運動療法機器の一応の分類を用意し,これを素案として各運動療法の定義付けから作業を始めることとなりました.今後委員会の分類案を作成し,これに関連づけて運動療法機器を整理します.さらに関連諸学会(整形外科学会,PT・OT学会など)とすりあわせを行い,学会案としてまとめていく予定です.

  3. リハ機器に関するweb site集の作成:今年度末まで関連web site情報の収集を継続します.

  4. 平成13年度活動計画及び予算調書案:本年度の計画の継続として申請いたしました.

国際委員会

委員長 岡島康友

 現在,内規に基づいて平成12年度よりスタートした海外研修助成,外国人会員(Honorary Member, Corresponding Member)候補の13年度選出作業を行っております.選出結果は理事会の承認後に,随時ご報告いたします.すでにリハ医学誌やリハニュースを通じて会員の先生方には12年度に助成を受けられた先生方3名の研修報告をさせていただいております.各先生とも成果を挙げられていることをご理解いただけると思います.すでに選出されている外国人会員には,海外施設研修受入れの可否や得意とする分野などについてアンケート調査を行うなどでコミュニケーションを図っており,会員の先生方の国際交流のご要望に応じられるよう努めております.

 また13年度は,学会として海外から短期の施設研修者を試行的に受け入れることを理事会に提案し了承が得られました.目的は欧米に偏りがちなリハ研修地を日本国内施設にも向けて,本学会の認知度を上げるとともに,本学会会員が海外リハ医と個人的なコミュニケーションをとれる環境作りをすることにあります.すでにいくつかの国内施設にアンケート調査をさせていただき,受入れの可否を打診させていただいている状況です.13年度は試行,いわばモニターの意味がありますので,本学会外国人会員をはじめ,海外のリハ学会リーダーにあたる先生方のお墨付きのある若手外国人リハ医2名にこの任にあたっていただく予定です.研修報告もしていただきます.

 リハニュース6号(平成12年7月発行)にご報告いたしました日韓リハ学会国際委員会間のコミュニケーションもその後大きく進展し,日韓で合同リハカンファレンスをもつことを両国の理事会に提案し,ともに承認されました.両国の会員からの一般演題を中心とした国際学術交換の場となれば幸いです.ISPRMと重ならない年に両国で交互に開催する方針で,2002年には韓国,2004年には日本で開催するところまで決まりました.会長,開催都市,会期,投稿の方法など,具体的な内容はまとまり次第,ご報告いたします.なお日韓リハ学会とも年2回(日本では5~6月の学術集会と10~11月のカレント・トピックス集会),会員が集まる機会があるのでそれに併せて開催する案を考えています.日韓の合同事業は他の学会でも多く取り上げられており,さらに初年度2002年はワールドカップの年でもあり,是非,成功させたいと思っております.多くの会員先生方のご参加を期待いたします.

地方会等検討委員会

委員長 吉村 理

なぜ代議員制としなければならないか? 

 民法34条で公益法人とは「祭祀,宗教,慈善,学術,技芸其他公益ニ関スル社団又ハ財団ニシテ営利ヲ目的トセサルモノ」で「公益」とは社会全般の利益,あるいは不特定多数の利益を意味します.公益法人(社団法人・財団法人)は,わが国の経済社会において重要な役割を担っており,今後ともその活動の適切な発展を図ることが重要で,公益法人に対する適正な指導監督等を強力に推進していくため,「公益法人の設立認可,運営に関する指導監督基準」が平成8年閣議決定されました.

 平成10年文部省主催学会法人等連絡協議会で,社団法人においては,①総会の定足数は過半数以上とする,②総会の代替処置として正会員の過半数の意志が反映されるような代議員制をとる,以上の2点が社団法人運営に例外なく必要であるとの指針が文部省から示されました.社団法人日本リハ医学会においても,文部省の指導に従って代議員制とする必要があり,また同時に代議員制は,①総会で会員(社員)の意思を反映させやすくし,総会を実質的なものにする,②地域の意見を反映させやすくする,③総会を成立させるための事務量を軽減する等の意味もあります.民法上の社員とみなすためには定款の改正をともない,代議員の選出方法が社員を代表できるよう民主的かつ公平である必要があります.

中国・四国地方会

椿原彰夫(川崎医大リハ医学教室)

 中国5県と四国4県の広い地域を統括する中国・四国地方会は,中国四国リハビリテーション医学研究会を母体として平成8年12月に発足しました.地方会に加入しているリハ医学会員は293名で,運営する役員会として26名の理事(理事長:明石謙)から成る理事会を設けています.■学術大会は年1回の開催でスタートし,平成12年から夏冬2回となっています.約20題の一般演題発表ならびに特別講演が企画されています.地理的条件は悪く,山口県北部から徳島県南部や高知県西部への交通手段は決して良好ではありません.かえって東京のほうが早く到達可能です.そのため,冬は岡山市に固定し,夏は他県での開催としています.冬の大会は研究会(コメディカルも参加可能)と同時開催であり,最近行われた大会(平成12年12月10日,川崎医科大学)が第6回です.冬の大会の参加者総数はコメディカルを含めて約300名で,医師は150名前後です.■中国・四国地区では専門医の数は約80名と少なく,認定臨床医生涯教育研修単位が取得可能であるということが地方会への参加者数増加につながっているようです.今後,多くのリハ医の育成が急務であり,討議が活発な学術大会がどの県においても開催されることが期待されます.■次の第7回大会は,平成13年7月に高知医科大学にて開催の予定です.大勢の先生方のご参加をお待ち申し上げます.

中部・東海地方会

猪田邦雄(名古屋大保健学科)

 東海地区のリハの発展をはかるためリハ医を中心にPT,OT,ST,看護婦,行政などからなる東海リハビリテーション懇話会を昭和59年に発足させ,年2回の学会を行ってきました.この会の世話人を中心に,リハ医学会の認定臨床医制度への対応もあり,平成3年に日本リハ医学会会員のみからなる中部リハビリテーション医学会を発足させました.東海地区(愛知,静岡,岐阜,三重県),北陸地区(富山,石川,福井県)に加え,長野県,滋賀県,山梨県の一部の日本リハ医学会会員に呼びかけ,会則も作り当初312名の会員でスタートしたのが現在の地方会の始まりです.■日本リハ医学会の地方会の充実などの動きに呼応して,平成9年10月から中部・東海地方会と改め,2月と9月の年2回の学術集会に加え,特別講演として単位取得の機会を作ってきました.学会参加への便も考慮し,北陸地区は北陸地方会へ分離し,それまで活動していた長野,静岡のリハ医学会を併合する形で愛知,岐阜,三重県と長野,静岡県が主な会員構成となり,会員数は約550名となっています.参加者は180~230名で名古屋を中心とした3県と長野・静岡の幹事とが交互に当番幹事を持ち回っています.入会金1,000円,年会費2,000円で,名古屋市内の会場費の不要な場所を借りて学会を開催していることもあり,黒字となっています.現在,小生が代表世話人となり,事務局を名古屋大学医学部保健学科に置いています.中部地区という呼び方は行政でも決まりはなく範囲も広いため,機会均等という立場からは長野や静岡での学会開催を検討しています.

近畿地方会

藤原 誠(兵庫医大リハセンター)

 近畿地方会の前身は,昭和60年10月に発足した近畿リハビリテーション医懇話会で,医師のみを会員として,年4回のセミナーあるいは学会形式の集会を,平成8年まで計44回行って参りました.■平成9年1月,当近畿地方会の活動が始まりました.学術集会は,大会を年1回(1月頃),近畿の各府県持ち回りで開催しています.あと2回(4月,9月頃),地方会世話人の学術担当者が分担して集会を開いています.また,近畿地方会では,教育講演会を年3回(2月,7月,10月頃)開催し,これをリハ医学会認定臨床医生涯教育研修会として活用してもらっています.府県単位のリハ医会等の組織も生まれつつあり,近畿地方会との共催を図っています.■3月現在の会員は704名,近畿地方在住のリハ医学会員は1,800名で,組織化率は39%です.年会費は3,000円で,地方会開催の学術集会支援のほか,Newsletterの発行,雑誌の刊行に努めています.広報・記録・学術・編集などの担当別の働きがこれらを支えています.一般臨床的な教育講演とは別に,リハ医学の基礎科学の充実にも力を注ぐ必要があり,セミナーを通して学際的な協調を進めています.■近畿地方会のリハは,従前より個々に有数の人材を擁して先駆的な働きが進められていると思いますが,その継承・発展に向けて,現地方会員の諸種働きと斬新な提案が期待されるところであります.

九州地方会

井手 睦(産業医大リハ医学講座)

 九州地方会は昭和48年に発足した九州リハビリテーション医学懇話会を前身とする長い歴史を有し,第1回は熊本市で開催されました.会員数の増加とともに学会自体も成長を続け,平成6年の大分会場から九州リハビリテーション医学会に,そして平成9年の沖縄会場から日本リハ医学会九州地方会にと重みを増してきています.■現在の会員数は699名でそのほとんどが医師です.学術集会は毎年2回九州・沖縄エリアで開かれますが,会員数の分布から福岡県・熊本県での開催が比較的多くなっています.年会費が1,000円,学術集会への参加費が1,000円で,地方会の運営費用となっています.各県の主な施設から現在28名が九州地方会世話人となって地方会の運営にあたっており,学術集会を開催する会長はこの中から互選されています.事務局は産業医科大学リハ医学講座におかれ,会員への事務的な連絡や会計といった仕事を担当しております.■学術集会は認定臨床医生涯教育研修会を併せて行われ,日祝日の午前中に一般演題発表,午後に特別講演1題と教育講演2題とするスタイルが定着しています.一般演題への応募も毎回20題前後と多く,主催者が時間配分に毎回うれしい悲鳴をあげているようです.認定臨床医の単位が午前の部への参加で1単位,午後の講演それぞれへの参加で1単位ずつが取得できるため,諸事情でリハ医学会総会参加での単位取得が困難な認定臨床医の会員にはすこぶる好評です.

医局だより

医療法人社団寿量会熊本機能病院

 当院は1981年5月に開院し20周年を迎えたところである.介護老人保健施設「清雅苑」,地域ケア支援センター,熊本体力研究所,健康増進施設「熊本健康・体力づくりセンター」を併設し,グループ内に介護老人福祉施設「天寿園」を有しており平成12年6月には,隣接して「有明海リハビリテーションクリニック」を開設した.当組織の目標は,救急医療からリハ,在宅支援までの一貫した医療を実践して,地域住民の健康な生活を保障することである.

 病床数は410床,整形外科,リハ科を中心に,神経内科,循環器科,形成外科など医師数40名,リハ医学会の専門医3名,認定臨床医7名である.組織全体のリハ関連スタッフは,PT 26名,OT 16名,ST 3名,MSW 9名で,平成13年度は総勢65名となる予定である.病棟体制は,一般病棟250床,療養型病床群160床で,平成12年5月より療養型のうち100床を回復期リハ病棟として運営している.平成11年度の入院患者総数3,997名,手術件数2,970件,リハ取扱い数103,686件,全体の平均在院日数は40.3日であった.なお,これまでの回復期リハ病棟の平均在院日数は66.3日である.主なリハ対象疾患は,脳血管疾患,骨・関節疾患,神経難病,スポーツ外傷,手の外科などで,回復期リハ病棟では,脳血管疾患が47%,整形外科疾患33%,神経難病11%であり,脳血管疾患の転帰は,自宅退院63%,転院27%,施設10%であった.

 併設の地域ケア支援センターとの密接な連携のもと,介護保険の申請から退院後の在宅支援サービスの提供まで一貫した生活支援を心掛けている.特に通所リハ,訪問リハに力をいれており,通所リハは定員100名,訪問リハは月間約400件の実績を挙げている.また,介護施設においても専属のセラピストを配置して,生活リハを積極的に導入している.

 院内では,各種勉強会が活発に行われており,毎日の病棟カンファレンス,毎週のリハカンファレンス,整形カンファレンスが開催されている.回診には,リハスタッフ,MSW,歯科衛生士なども同席して多面的な検討を行う.院外の研究会や学会には積極的に参加・発表し論文発表に努めている.その他,各種患者会の支援,公開講座の開催なども行っている.

 いまだ制度そのものの創生期ではあるが,医療・保健・福祉の枠を越えて,地域リハ支援センターとしての役割を果たせるよう更に努力していきたいと考えている.

(米満弘之)

医療法人社団寿量会熊本機能病院
〒860-8518 熊本県熊本市山室6-8-1
TEL096-345-8111, FAX096-345-8188
URL: http://www.juryo.or.jp
E-mail: info@juryo.or.jp

日本医科大学リハビリテーション科

 日本医科大学リハ科は附属4病院のうち2病院に設けられています.川崎市の附属第2病院には平成3年に,千葉県印旛沼の千葉北総病院には平成11年にリハセンターとともに診療科が開設されました.講座にはなっておらず,内科学第2教室(神経内科・腎臓内科)に所属しています.第2病院リハ科には竹内孝仁教授以下助手3名と研究生1名が所属し,千葉北総病院リハ科には北村純一講師以下助手2名が所属しています.診療や研究などの活動はそれぞれ独立して行っています.

 第2病院リハ科について紹介いたします.川崎市中原区の市街にある370床の病院で,徒歩5分の私鉄駅からは約20分で渋谷と横浜に行ける好立地です.古くから地域の中核病院としての機能を担っており,リハ科に関しても在宅復帰への援助など地域に根ざした診療活動が望まれています.医師5名(うち専門医2名)を中心に,リハセンターには訓練士9名(PT 5,OT 3,ST 1),MSW 1名のスタッフが所属し,施設認定1を取得しています.

 リハ科の病床は病院全体が原則フリーベッド制をとっていますので,10~15床で,この他に他科入院の患者30~40名が加わり,常時40~50名の患者にリハ医療を行っています.リハ科入院の80%は脳血管障害ですが,他科入院患者(内科43%,外科27%,脳外科26%,小児科2%)は脳血管障害49%,パーキンソン病など中枢神経疾患12%,術前後を含む呼吸リハ9%です.この他に高齢・重症患者の廃用症候群が17%を占め,年々増加傾向にあります.障害評価,治療・訓練,住環境や介護支援の調整に至るまで復帰へ向けた援助・介入は入院所属科を問わず行っており,スタッフを交えた木曜日のケースカンファでは各部門の情報を交換してリハ方針の確認や決定を行っています.外来は一般診療の他,電気生理学的検査を行う筋電図外来は週4日対応で院内外から紹介を受け,月曜日には装具外来を行っています.

 研究活動では,厚生科学研究補助金(長寿科学総合研究事業)を継続中で現在は高齢者の「閉じこもり」に焦点をあてて調査を行っています.その他,高次脳機能障害をADL面から評価した行為障害の分析,超音波を用いた横隔膜運動評価を進めています.

 卒前教育では残念ながら実習の科目になっておらず医学教育の場はありませんが,学生などから見学の希望があればいつでも懇切丁寧に対応しています.リハ医を目指してくれる人が一人でも多くあればとの思いからです.なお,当科では新卒・既卒問わず,入局者は大歓迎します.

(穐山尚子)

日本医科大学附属第2病院リハビリテーション科
〒211-8533 神奈川県川崎市中原区小杉町1-396
TEL044-733-5181(内線301),FAX044-711-9562

平成12年度海外研修助成:研修印象記

井 手  睦(産業医科大学リハビリテーション医学講座)

 平成12年11月2~5日オーストラリア・シドニーにあるHotel Wentworthで開催された第39回国際パラプレジア学会(IMSOP)に参加してきた.比較的こぢんまりした学会で参加人数は300人はいない程度であろう.医師のみならず看護婦・理学および作業療法士などパラメディカルの参加も多かった.演題のテーマは疫学および予防プログラム・呼吸管理・泌尿器科的管理・在宅プログラムなど国内の学会と大きく違わないが,基本的に会場が1つだったので,聴衆は常に多かったようである.私が今回助成を受けて発表してきたのは“Lifesatisfac-tion in persons with spinal cord injury: a comparative investigation between Sweden and Japan” と題した口演である.発表と討論で15分と余裕のあるスケジュールだったのでどの演題でも討論が盛んであったように思う.私の発表の時には,Life satisfactionを2国間でするときの評価法や日本・スウェーデン両国の健常者のsexualityに違いがあるか,などがフロアから質問された.熱心な人からは発表後に廊下でつかまったりして,自分と同じ価値観を持つ人が海外に居ることが嬉しく思われた.

 学会の合間に,シドニー市内の公的病院であるPrince Henry Hospitalと繁華街にあるオーストラリアリハビリテーション医学会事務局を訪れた.Prince Henry Hospitalでは前オーストラリアリハ医学会会長のDr. Pesi Katrakにお世話になった.オーストラリアでも政府が医療改革を進めており,公的病院のおかれている厳しい現況・リハビリテーションのスタイルも徐々に方向転換していることなど共感のもてた内容であった.学会事務局では現会長のProf. Hugh Dickson(写真右)から主に専門医の育成プログラムについての話をうかがえた.オーストラリアリハ学会では専門医志望者が指針とするマニュアルを発行しており,卒後教育の制度が異なるにせよ,日本でも同じようにsystematicなプログラムがあれば,これから専門医を目指そうとする世代にわかりやすいだろうと感じた.

 来年の開催はスイスで予定されている.派手さはないが,脊髄損傷というひとつの障害にいろいろな国の人が取り組んでいるのが身近に感じられて,好感がもてる学会である.日本からの多数の参加者・発表者があるよう希望する.

専門医コーナー

ご挨拶

日本リハビリテーション医学専門医会 会長 椿原 彰夫

 すでにご承知の先生方が多いこととは存じますが,この度「日本リハビリテーション医学専門医会」の機構改革が行われました.平成12年11月19日の役員改選により,不肖私が会長職を仰せつかることとなりました.専門医会を刷新すべきであるとの意向に対しまして,重大な責任を痛感いたします次第です.どうか,ご指導とご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます.

 これまで本会によって開催されてきました学術集会(リハ・カレントトピックス&レクチャー)に加えて,研究・教育・診療に関する資質の向上,施設間研究・研修協力の推進と教育・研修施設の拡充,会員の研究活動への援助・協力,日本リハ医学会が行う各種事業への協力,国内外の関連機関との連携を6つの柱としております.リハ医療に携わる先生方に,より新しい専門的知識と技術を身に付けていただくことは元より,同じ医療環境で働ける多くの新しい専門医を育成することも本会の重大な使命かと認識しております.今回の機構改革を機に,新たに会員登録を書面によって行う予定でございます.どうか,大勢の専門医の先生にご入会をいただきますよう,宜しくお願い申し上げます.

 平成13年度のリハ・カレントトピックス&レクチャーは,獨協医科大学リハビリテーション科学の古市照人教授によって開催の予定です.専門医以外の先生方にも,ぜひご参加いただきますよう,お願いいたします.総会は第38回日本リハビリテーション医学会学術集会の会期中(平成13年6月14日午前11時)に予定しておりますので,機構改革に対するご意見がございましたら,この機会に宜しくお願いいたします.

事務局コーナー

宇野知左子

 昨年12月事務局員として新規採用になりました宇野です.学術部会を担当しています.まだ3カ月半ですが,この間には専門医試験・ミレニアムシンポジウムがあり,沢山の先生方とお会いする機会がありました.過去10数年間,宇宙物理・物性物理といった基礎科学分野の研究所で秘書をしてきました.医療の世界の先生方とは少しのカルチャーギャップに戸惑いましたが,日進月歩の医療現場や教育に真摯に取り組んでいらっしゃる様子に段々引きこまれ,事務局員としてお役に立てるような仕事ができるよう励んでいきますのでよろしくお願い申し上げます.●今回の紙面で大きく取り上げていますように,初めての認定臨床医資格更新がいよいよ1年後に迫ってきました.事務局では,会員の皆様からのお問い合わせに何時でも応えられるよう,データのアップデートに努めています.また,単位の通知や更新手続きなどをお送りすることになりますので,郵便物にはご注意いただくと共に,所属変更・住所変更などがありましたら速やかに事務局にご連絡ください.●今年度は名簿作成の年でもあります.これから会員の皆様に調査票を送付させていただきますので,調査票の記載事項が,省略されているものは正しく記載し,訂正のある場合も必ずご返送くださるようお願いいたします.

広報委員会より

道免和久

 リハ医学会のホームページのアクセス数が2万件を超えようとしています.アクセス数は多くの会員の方々に活用頂いているというデータになりますので,担当者としては喜ばしい限りではありますが,更新時期や内容についてまだ不十分な点も多く,改善に努力しておりますので,今後ともよろしくお願い致します.●ホームページをはじめとするIT時代のメディアの中,学会誌の世界でもオンラインジャーナルが増加していますが,全体をアナログ的に見渡せる紙の印刷物の重要性は依然として,いや,逆に高いのではないかと思います.おかげさまで次回で10号を迎えることになりますこの『リハニュース』は,「かわらばん」的に学会員に情報が行き渡る点で,一定の役割を果たすようになったのではないかと考えておりますが,いかがでしょうか.●とくに今回第9号は,事務局に問合せが多く寄せられておりました認定臨床医の資格更新についての話題を中心に紙面を構成しました.各委員会,地方会からも最新のニュースが寄せられておりますので,学会誌と同様にご活用ください.今後も機動力を生かしつつ,今欲しいフレッシュで有用な情報を取り入れながら編集させて頂きますので,会員の皆様のご意見等をお待ちしております.