<REPORT>
第13回IFPMR(International Federation of Physical Medicine and Rehabilitation)学会が平成11年11月11日(木)から14日(日)までWashington D.C.において開催されました.
今回は,一昨年に京都で第8回IRMA(International Rehabilitation Medicine Association)が日本リハビリテーション医学会と合同で開催されたように,IFPMR学会が第61回AAPM&R(American Academy of Physical Medicine and Rehabilitation)学会と同時開催となりました.しかし,AAPM&Rが中心となってしまい,IFPMRの学会の方が影が薄くなってしまいました.
特に,外国への演題募集もはっきりしておらず,演題の発表ができなかった方々が多数いらしたことだと思います.実際に参加しても,米国の国内学会という印象が強く残ってしまいました.
■一般演題は,口演が36題,ポスター発表が534題あり,ほとんどがポスター発表となっており,IFPMRとAAPM&R学会との区別はありませんでした.
シンポジウムやセミナーにはSCI, Brain Injury, Musculoskeletal Rehabilitation, Pain Rehabilitation, Stroke, Geriatrics, Electrodiagnosis, Practice Management, Pediatric Rehabilitation, Topicsなど広範囲なテーマが取り上げられておりました.
特に疼痛に関するセミナー,リハビリテーションマネージメントに関するセミナー,高齢者の問題などが多く取り上げられておりました.また,有料で小グループのワークショップが沢山あり,実際の技術的な指導も受けられるようになっていました.
学会の前日,前々日や学会中の朝(7:00〜8:00am),夜(7:00〜9:00pm)などにResidentのためのprogramがあり,開業のためにどういう準備が必要かとか,fellowになるためには,どのような方法があるかなどの,実際的なプログラムも多く見られました.ただこれらは米国の国内学会そのものであり,IFPMRとは直接関係ありませんでした.
■11月8日(火)にIRMAの理事会,IFPMRの理事会がそれぞれ開かれ,また合同でのTask Forceが開催され,ISPRM(International Society of Physical and Rehabilitation Medicine)の発足についての最終的な討議がなされました.日本からはIRMA会長の上田敏先生,IRMA事務局長の石神重信先生,IRMA副会計の私の3人が出席し,新しい組織であるISPRMの人事や活動内容などについて討議が行われました. ■ISPRMの会員は大きく分けると2種類あり,IFPMRと同様に国や団体として加入する団体会員とIRMAと同じ個人会員と,2つの会員制を踏襲することとなりました.日本の場合,日本リハ学会が団体会員としてISPRMに加入すれば,日本リハ学会の会員であれば,ISPRMの会員になることができます.さらに今までのIRMA会員のように個人で年間20ドルの会費を払うことによって個人会員になることができ,機関誌“Disability and Rehabilitation”の購読料の割引,ニュースの直接送付などの特典があるだけでなく,国際的にリハビリテーション医学の発展やその確立に寄与できると考えられます. ■ISPRMが成功するためには多くの国の参加と多くの個人会員の参加が是非とも必要であります.今までのIRMA会員はもとより,一人でも多くの日本リハ学会の会員の先生方に個人会員になって頂き,ISPRMの発展に協力して頂きたいと思います.
また11月13日(土)の昼よりInternational Recognition Lancheonが開かれ,IFPMRとIRMAの解散とISPRMの発足が正式になされました.
11月14日(日)の午後1時より第1回のISPRMのBoard meetingが開かれ,日本からは上田敏先生,石神重信先生,千野直一先生と私の4人が出席し,上田先生,石神先生はISPRMの理事に,千野先生と私は評議員となりました.
ISPRMは2年ごとに国際学会を開くこととなり第1回の学会は2001年7月7日〜13日にオランダのアムステルダム,第2回は2003年5月11日〜16日イスラエルのイェルサレム,第3回は2005年7月6日〜10日ブラジルのサンパウロで開催されることになりました.