<医局だより>

千葉リハビリテーションセンター


 千葉リハセンターは,昭和56年4月千葉県より千葉県リハビリテーションセンターを経営受託し,現在リハ医療施設(病院)110,重度身体障害者更生援護施設75,肢体不自由者更生施設35,重症心身障害児施設35,肢体不自由児施設110の施設で構成されています.常勤医は北原宏センター長以下18名でリハ科3(神経内科2),補装具製作室長1,整形外科3,小児整形外科1,リウマチ内科1,小児神経内科5,眼科1,麻酔科1,精神科1です.非常勤医は内科,泌尿器科,耳鼻科,皮膚科,歯科がおります.
 リハ科入院(60)では脳脊髄など中枢性疾患の血管障害,外傷,変性疾患等が約9割を占め,内反尖足槌趾の矯正手術も行っています.入院・外来では脳損傷,脊髄損傷,パーキンソン病,ギランバレー症候群,多発性硬化症の治療が行われています.関節運動学的アプローチ(AKA)による運動療法,医療体育も入院・外来で行っています.紹介から入院までの入院待期は平均約8日間,入院期間は約60日,退院先は在宅が約9割です.年間患者数は入院約260名,外来約9,000名です.外来診察なしの直接転入院が増加しており,発症から紹介までは脳外科からの紹介では約8日から6週です.千葉では脳外科,神経内科,内科に比べ他病院リハ科よりの紹介が3カ月と遅く,またリハ専門医のいるところでも自分のところで完結していないのが目立ちます.整形外科,リウマチ内科では関節疾患(OA, RA)の手術や内科的治療,補装具製作室では切断肢に対する義肢装具治療を外来・入院で行っています.小児部門では肢体不自由児施設は多様化する社会ニーズに応じて障害児のライフサイクルの観点から取組みを強化し入園期間がより短期化した密度の濃い療育を提供し,重症心身障害児施設では医療的介護度の高いケースに対して医療および訓練と共に生活支援を行い在宅支援の観点から短期入所を実施しています.小児神経科外来では年約8,000名,小児整形外科では年約2,300名を診察し特殊外来として補装具外来,車椅子外来,座位保持外来を行っています.
 今後の千葉リハセンターとしては,厚生労働省の高次脳機能障害(5カ年計画)の全国10カ所の地方拠点病院として事業を展開することや千葉県下での地域リハの体制作りを行うために千葉県リハビリテーション協議会が今年度より発足し北原センター長がその中心となって1次,2次,3次のリハ医療圏システムの構築やネットワーク作りに取り組んでいくところです.(佐々木健)
千葉県千葉リハビリテーションセンター/〒266-0005 千葉県千葉市緑区誉田町1-45-2/Tel043-291-1831,Fax043-291-1857/http://www.hosp.pref.chiba.jp/riha/
2001.7.15: リハニュースNo.10