中伊豆リハセンターは静岡県伊豆半島のほぼ中央に位置し,伊豆高原に隣接する「空に富士,天に星」と風光明媚な場所にあります.この中伊豆町に昭和48年JA共済の支援のもとに障害者の社会復帰を目的に設立され,現在は医療部門158床,身障施設部門160床,通所リハ施設を有し,近隣都市に2カ所の訪問看護ステーションを運営し,回復期リハから在宅リハまで一貫して行える,複合的リハ施設に変貌しています.
現在の医局メンバーは稲田晴生センター長以下5名(リハ専門医4名,リハ臨床認定医1名)と,内科,整形外科,泌尿器科の非常勤医師8名で構成されています.病棟は回復期リハ(病床50)と療養型(病床108)からなり,回復期リハ病棟は平成13年7月に認可を受けスタートしたばかりです.
センター内のリハスタッフはPT 20名,OT 17名,ST 6名,SW 3名,医療体育科1名を擁し,2カ所の訪問看護ステーションにPT 7名,OT 2名を配置しています.
臨床的な特色としては,稲田センター長を中心に脳卒中の摂食・嚥下評価にVFや嚥下内視鏡を利用し適切な嚥下食や摂食方法の検討や,歩行分析は大型床反力計と3次元動作解析機器を用いて脳卒中をはじめとする歩行障害の評価・リハ的アプローチ方法を研究し,臨床へのフィードバックを試みています.また片麻痺の足部内反尖足変形に対する足部機能再建術も特色のひとつです.病棟訓練では,PTによる病室・病棟での基本動作訓練,昼食時に食堂でのST・OTによる摂食,嚥下訓練を行っており,家屋の増築,改修のアドバイスは家族,リハスタッフと共にハウスメーカーの積水化学の専門スタッフによる建築相談会を月2回実施するなど,機能回復と在宅復帰を主眼に臨床に励んでいます.
地域への活動としては,訪問診療,市町村の機能訓練事業,更生相談所の委託による身障巡回相談,静岡県東部地域リハ広域支援センターとしての業務など,リハ医にとっては多岐にわたるフィールドでの研修・研鑚が可能です.平成12年には施設内にLANが整備され,IT化が促進されつつあり,患者情報のデータベース化とリハ報告書や情報提供書作成におおいなる力を発揮しています.硬い紹介内容となりましたが,当センターは隣にゴルフ場,温泉・釣り・ダイビングスポットが多々あり,夜空を眺めれば流星群(獅子座・双子座流星群は良く見えました)と余暇を楽しむには絶好の勤務地です.研修プログラムもあります.在宅にも興味のある先生方が医局メンバーに加わっていただければ幸いです.(鄭 健錫)
農協共済 中伊豆リハビリテーションセンター/〒410-2507 静岡県田方郡中伊豆町冷川1523-108/Tel0558-83-2111,Fax0558-83-2370/HP:
http://www.janrc.or.jp/(リハニュース12号:2002年1月15日)