<医局だより>
勤医協札幌丘珠病院
勤医協札幌丘珠病院に在籍している医師は,精神科2名,リハ科2名,内科1名と少なく,リハ科だけの医局ではなく,全医師で医局を運営しています.
精神科は開放病棟で,一般病床として運営していましたが,昨年10月に病床を廃止し,いまは,外来だけとなっています.精神科の病棟のところには,同一法人内からベッドを50床移動し療養病床としました.
リハ科は回復期や慢性期の脳卒中,整形外科の手術後の患者を受け入れて,平均在院日数60日の一般病床で運営してきました.嚥下障害のある患者さんや高齢の障害者の多い病棟での60日の運営は厳しく,今年度から,リハ科も療養型病床としました.
その結果,全館150床の医療保険型の療養病床となりました(病院の増改築を行いました).なぜ,回復期リハ病床をいれないのかと言われるかもしれませんが,リハ科の医師のどちらかは必ず病棟におり,そのほかの時間帯は外来,往診や検査などに携わっています.医療内容や地域の患者さんへの責任があります.せっかく専門医や認定医が病棟にいても回復期リハ病棟ができないところもあるのです.リハ医療の発展のために改善してもらいたいものです.
医療保険型の療養病床は,今後,継続するのは難しくなると言われています.しかし,回復期や慢性期の患者さんを受け入れて,十分にリハ効果をあげている実績があるのです.納得できません.
さらに,追い打ちをかけているのが今回の診療報酬の改定です.史上最悪の改定ですが,当院の4月,5月分についてリハだけでみますと,当院昨年比でPT部門61%,OT部門73%,ST部門115%です.全体で昨年比72%です.
今後,リハは急性期と回復期リハ病棟だけで,あとは施設となってしまうような状況では,リハ医療の崩壊とともに理学療法士や作業療法士の就職口もなくなります.
日本医師会では医療福祉への投資は,公共事業への投資より経済への波及効果も雇用人数においてもはるかに大きいことを示しています.
健全な経営なくして患者さんのいのちや健康を守る医療はなりたちません.リハ医療だけに限らず,診療報酬の改善を強く望みます.(岡本五十雄)
勤医協札幌丘珠病院
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