<特集◎新しい地方会制度>
地方会組織の充実とその役割
地方会等検討委員会 担当理事 宮野 佐年
1996(平成8)年10月に,当時の米本恭三理事長名で「日本リハビリテーション医学会地方会の発足について」という会告が出されました.地方会を全国8地区に分け,その地方会の条件として,1)
地方会の正会員はリハ医学会の会員とするが,準会員として非医師を構成員とすることは構わないとしており,2)
運営のための世話人と事務局を置き,3) 年1回以上学術集会を開催し,4) 筆頭演者は正会員に限り,5)
抄録はリハ医学誌に掲載することでした.その後各地方会もこの会告に沿って組織替えを徐々に行っていきました.
各地方会組織はそれぞれの地方の特色・伝統があり,関東地方会のように医師のみの会であるが,組織率が1/5にも満たない地方会や,パラメディカルとリハ医学会会員と全く区別しない地方会や,区別はするが合同で会を運営する地方会など様々でしたが,日本リハ医学会の下部組織として地方会総会をもう少し均一化し,さらに充実する必要性が高まってきました.
▽
2002(平成14)年6月の第39回日本リハ医学会総会において,地方会組織を充実するための方策として,1)
日本リハ医学会会員はすべていずれかの地方会に所属し,2) 各地方会事務局運営費の一部を日本リハ医学会が補助し,3)
地方会としての会費は徴収しないことが決定されました. 上記を受けて,地方会等検討委員会では,地方会組織に関する規則,生涯教育研修会の実施母体としての地方会のあり方等を検討してきました.
▽
そして,本年6月の第40回日本リハ医学会総会において,地方会組織に関する規則が承認されました.(リハ医学誌40巻8号(2003)483
-484) その規則によりますと,本地方会組織の目的は,地域におけるリハ医学の普及と発展・会員相互の学術交流を図るもので,対象はリハ医学会会員であります.この地方会組織の事業として,1)
会員相互の学術交流,2) 生涯教育研修会の計画・実施,3) リハ啓蒙活動の実施,4)
その他地方会組織の目的を達成するための事業としています. 地方会組織の運営のためには,幹事・監事・地方会事務局を置き,幹事会・地方会総会を年1回以上開くこととなっています.
会員相互の学術交流として,地方会学術集会を年2回以上開催することとなっています.また,生涯教育研修会に関しては,教育委員会から生涯教育研修会のガイドライン(案)が提出され,それにのっとって生涯教育研修会を企画し,原則として年2回以上開催することとなっています.
▽
これで地方会組織の大枠は出来上がりましたが,実際にこの組織を充実させ,その役割を実りあるものにするには,これからの地方会会員の皆様の積極的な参加と協力が不可欠です.多くの会員が,地方会学術集会に参加し,研究発表や会員相互の交流をはかり,生涯教育研修会にも積極的に参加し,新しい知識を吸収し,リハ医療の実践に役立てて欲しいと思います.地方会組織が発展するためには,会員の皆様方が自分達の地方会組織であるという認識をもって育てていくことが重要だと考えています.また各地方会の学術集会や生涯教育研修会の案内は,リハ医学誌ばかりでなくリハ医学会のホームページにも掲載しますので随時ご覧いただき,ご意見があればそれぞれの地方会事務局や幹事宛にご連絡いただきたいと思います.
(リハニュース19号:2003年10月15日)