<医局だより>

聖隷三方原病院リハビリテーション科


 聖隷三方原病院は、急性期医療を中心とした764床の総合病院で、平均在院日数は約 15 日である。その一方でホスピス・結核・リハの病棟を有し、慢性期の医療にも力を入れている。リハ総合承認施設であり、リハ科病床は 43 で看護 A 加算、特 3 類 2: 1、看護師 20 人、看護助手 8人であり、6 人のリハ科医師と 2 人の歯科医師が勤務している。コメディカルスタッフは、PT 25 名、OT 13 名、ST 5 名、歯科衛生士3名、MSW 2 名などであり、各パートが緊密な連携を取りながら、急性期医療の中でリハ理念を実践している。

 当科では、『専門性が高く、急性期から在宅までの一貫したリハ・アプローチ』をモットーとして、[1] 発症日からの急性期リハアプローチ、[2] 摂食・嚥下障害への充実したチームアプローチ、[3] リハ科病床における亜急性期〜回復期の専門的リハ、[4] 在宅復帰へ向けた地域スタッフとの連携、などを大きな柱として臨床活動を展開している。

 従来リハ医の確保に苦慮してきたが、2002年より指導体制を強化し、リハ専門医養成プログラムをスタートさせてから状況は好転している。若いリハ科医師を育て『自己再生可能な』リハ科にするとともに地域医療に貢献できるリハ医養成を目指している。研修医募集に際しては、[1] 病院全体の初期研修が充実している、[2] リハ科の臨床活動が活発で院内各科に認知されている、[3] 学生の見学を積極的に受け入れ、リハ科を志向する医学部生に認知してもらう、などの項目が大切であると考えている。現在 4 人の研修医が『入局』してスーパーローテイト方式の研修を院内各科で進めている。2005 年春からは初期研修を終えた 3 人がリハ科に帰属して、専門研修をまさに開始し、さらに新たなメンバー 2 人がマッチング制度を経て入局予定である。

 当科の特徴である摂食・嚥下障害は院内、院外から高い評価を得ているが、最近の取り組みで強調したいことは『リハ科歯科チーム』を 5 年前に結成し、現在歯科医師 2 名・歯科衛生士 3 名が活躍していることである。摂食・嚥下障害治療の一環として病院全体の口腔ケアに取り組み、全科から高い評価を得ている。
 これからも一般総合病院におけるリハ科の臨床活動を充実させたいと考えている。
(高橋博達)

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聖隷福祉事業団総合病院聖隷三方原病院リハビリテーション科
〒433-8558 静岡県浜松市三方原町3453
TEL 053-436-1251、FAX 053-438-0652
URL:http://www.seirei.or.jp/mikatahara/default.asp
(リハニュース25号:2005年4月15日)