<2006/December/01 updated>
障害者自立支援法障害保健福祉委員会

補装具給付制度が変わりました
―リハ医が知っておきたい補装具費の支給制度―


現物支給から補装具費の支給へ

平成18年4月から障害者自立支援法が施行されましたが補装具関係の制度変更は10月1日から行われました(表1)。身体障害者福祉法、児童福祉法では「現物給付」という概念でしたが障害者自立支援法では「補装具費の支給」となります。義肢・装具、座位保持装置、電動車いすなどはこれまでと同様に身体障害者更生相談所での判定が必要です(表2)。また、厚生労働省の告示種目にあっても名称・型式・基本構造のない補装具で障害状況、生活環境等で真に必要なものは、特例補装具(旧基準外補装具)として扱われ、同じく更生相談所の判定が必要です。支給された補装具費の1割が自己負担となりますが、市町村民税所得割課税額が50万円未満の方は月額上限額が最高で37,200円です。それ以上の課税額の方(概ね年収2千万円以上)は支給対象外となりますので補装具費が全額自己負担となります。原則的には償還払い方式ですが、申請者の利便性を考慮して代理受領方式を選ぶことも可能です(表1)。

種目の変更

これまで補装具として取り扱われた頭部保護帽、歩行補助つえ(一本つえのみ)、ストマ用装具などが日常生活用具へ移行し、これまで日常生活用具だった重度障害者用意思伝達装置が補装具へ移行されました(表3)。国の取扱指針(案)では意思伝達装置の判定は医師意見書に基づき更生相談所が文書判定で扱っても差し支えないことになっていますが、都道府県によっては直接判定を行うところもあるようです。

意見書を作成する医師の要件

補装具費支給意見書を作成する医師の要件が具体的に示されました。身障法第15 条指定医または障害者自立支援医療指定機関において当該医療を主として担当する医師であって、所属医学会において認定されている専門医、あるいは国立身体障害者リハビリテーションセンター学院において実施している補装具関係の適合判定医研修会を修了している医師であることが必要です。また、身体障害児の場合は指定自立支援医療機関または保健所の医師が作成したものであることとなりました。いずれにしても補装具の必要性、処方の具体的な内容等について、しっかり意見を述べることが重要です。

詳しくは市町村の福祉担当窓口か各地域の身体障害者更生相談所にお尋ねください。

参考平成18年8月24日厚生労働省障害保健福祉関係主管課長会議資料

障害保健福祉委員会 樫本 修)