サイト内検索

医学生・研修医の方へ

平成22年医学生セミナー感想文

※統一を図るため、文意に影響しない範囲で修正を加えている場合があります。

春期

【国保 旭中央病院】

先日はお忙しい中、時間を割いて頂き、見学をさせて頂き、ありがとうございました。

一日という短い時間ではありましたが、藤本先生にお会いできてリハビリテーションはどのようなものかを知り、リハビリテーションへの考え方が変わりました。貴院での初期研修は狭き門ですが、日々精進していこうと思います。そちらで研修を受けることができるようになった暁には、またリハビリテーションについて勉強させていただきたいと思います。

先生のさらなるご活躍を心よりお祈り申し上げます。

【医療法人野並会 高知病院】

今回、大学の春休み期間を利用し、3月8日9日の二日間の日程で、高知病院にてリハビリテーション医学セミナーに参加させていただきました。大阪医科大学の先輩である奥村 悦之先生のご指導のもと、参加させていただいた3人とも非常に充実した内容の実習をさせていただき感謝しています。

夜行バスで高知県に到着したのは早朝5時30分で、高知病院での8時30分の待ち合わせにはかなり時間があったため、朝食がてら近くのファミリーレストランに目をこすりながら転がり込みました。当時はまだ3回生ということもあり白衣を身にまとっての病院実習なるものはほとんどなく、医学的知識、臨床に対しての知識もまったくない中で、病院実習に参加させていただいて、はたしてプラスになるのかという不安感と、身近で医療の現場に触れることが出来るという期待感が入り混じった複雑な気持ちでした。高知県を訪れるのは初めてで、観光気分も若干あり、待ち合わせの時間までもかなりの時間があったため病院実習は自分の予想に反して落ち着いた気持ちで臨むことができました。

まず、リハビリテーション医学についての講義を受講させていただきました。大学で数回させていただいた病院実習では、リハビリテーション医学には直接触れる機会もなかったのですべてが新鮮な感覚でした。リハビリテーションに対してのイメージは身体の麻痺などに対して体を実際に動かして、回復を図っていくという単純なイメージしかありませんでしたが、急性期・回復期・維持期リハに細かくわかれ、患者さんの病状、回復の度合いによって詳細に区分けされていることをはじめて知りました。近隣の近森病院で急性期リハを行い、回復期に移行すると高知病院で、最終的には在宅療法へのアプローチ、あいおい介護老人保健施設への移行という分業制でうごいていることも初めて知りました。

次に、実際に回復期病棟、理学療法、作業療法、言語療法室の見学をさせていただきました。家庭、社会復帰を目指すことが目的とされていて、筋力増強、関節可動域拡大、協調運動、巧緻運動などの運動療法、高次脳機能障害患者の日常生活動作訓練を中心に見学させていただきました。実際に患者さんに協力していただいて、関節可動域の測定をさせていただきました。これもはじめての事で、前のデータと照らし合わせ可動域が広がっていたり、患者さんの頑張っている表情をみると私も一緒になって嬉しくなり貴重な体験でした。

最後にリハビリテーション合同カンファレンスに参加させていただきました。最初は「合同カンファレンスに参加してもらう」と奥村先生に言われたときは、医師・看護師だけの、看護計画などを話し合うだけのイメージしかなかったでしたが参加させてもらうと実際はまったく違うものでした。医師、看護師、PT、OT全員が参加するもので看護と理学療法、作業療法両面からのアプローチにより家族面談、家庭訪問、維持期リハの実施など退院後生活を考慮して計画し、日常生活動作改善による在宅復帰を主目的としていることが全面に感じられました。この患者の退院後の生活も考慮したカンファレンスこそリハビリテーション医学以外では学ぶことが出来なかったことであると感じています。

【東京厚生年金病院リハビリテーション科】

リハビリテーション科は、大学のポリクリでは実習に行くことのできない科であり、講義でもほとんど扱われなかったので、大変勉強になりました。手術をしたり、怪我をした患者さんがリハビリをしていることは知っていましたが、具体的にどのようなことをして、リハビリをやることで何ができるようになっているかを今まで気にしたことはほとんどありませんでした。先生からお聞きした言葉でとても印象に残ったのが、どの程度まで何ができるようになればいいかは患者さんそれぞれで違う、ということです。入院治療をする目的は怪我や病気を治すことだけではないため、退院後の患者さんの生活も考えたうえで方針を決めることがとても大切であり、そのためにリハビリで何をするかが大変重要になってくるのだと思います。患者さん一人ひとりのリハビリのゴール地点を設定すること、そのゴールにたどり着くまでの期間や方法を考えること、これらを決めることは簡単ではなく、やはり専門に扱う先生の存在は大変重要だと思います。

リハビリテーションはどのような疾患においても絶対必要だと思いますし、まだ明確な基準等のない検査法や治療法もたくさんあると聞きました。リハビリ科は今後の医療で大変重要になってくる分野だと思うのですが、私のような学生の立場から見ますと、なかなか授業や実習で接する機会の少ない科と思われます。将来何科に進んでも、リハビリを必要とする患者さんと接する機会は必ずあると思うので、もっとリハビリの重要性が広く認識されればいいと思います。私は、今回の病院見学で1日じっくり見学させていただくことができて、本当に貴重な体験ができたと思っています。逆に、今回の見学がなかったら、リハビリの重要性を知らないまま、さらには重要性を勉強しなおす機会もないまま卒業していたかもしれません。

本当にありがとうございました。

【北海道大学病院】

三日間のセミナーに参加して、大学病院での先端治療から開業医による往診までリハビリ医療の全体像がつかめました。リハビリ医療の現場で、実際に何が行われ、どの程度の回復が目指されているのかを知りたくて参加したので満足しました。さらにセラピストをまとめて、患者の診断・予後の長期的予測を行うというリハ医師の役割を明確に理解できたことも大きな収穫でした。

私自身事前の知識は不十分なものでしたが、医局の先生方の指導のおかげで自分ひとりで学ぶ以上のものを効果的に得られたと思います。特に熱い志をもって、患者に真摯に向き合い、回復を喜ぶ先生の姿を見て将来自分の働き方の参考にしたいと思います。

夏期

【森之宮病院 1】

リハビリテーションの夏季セミナーを利用して、森之宮病院で実習させて頂きました。森之宮病院で実習を希望したのは、医学部に入る前に宮井先生の書かれた「脳から見たリハビリ治療」という本を読んだからです。大学で基礎科学の研究をしていたその当時の私は、この本を読み、患者さんに対しても貢献できるし、脳のメカニズムの基礎研究もできるこの分野に大変憧れたものでした。

午前中は成人のリハビリを、午後は小児のリハビリを見学させて頂きました。どちらのリハビリも、巧みな指導のもと患者さんが前向きに嫌がらずにリハビリを行っていることが印象に残りました。また、そういった効果的なリハビリを行うために、病棟やリハビリの内容を工夫している様子が興味深かったです。宮井先生には、午前中のほとんどの時間を付き合って頂き、研究の話から病院の特徴、リハビリの現状など、わかりやすく説明して頂きました。

今回の実習を通じて感じたことは、脳は不思議で、まだまだ研究が進んでおらず、やりがいのある分野であるということでした。将来的に、研究が進み、脳の活動の実態が解明され、それぞれの障害の程度や、個人の特性を参考にして適切なリハビリプログラムを作ることができると思います。適切なプログラムさえできれば、多くの人に対して脳をダイナミックに変化させることができるようになり、脳がどのように働いているのかを理解するだけではなく、困っている多くの人の役に立つのではないかと感じました。

【森之宮病院 2】

私は森之宮病院のリハ医学生セミナーに参加させていただきました。一日のセミナーで、午前中は成人のリハビリテーション、午後は小児のリハビリテーションを見学し、それぞれにおいてカンファレンスにも参加させていただきました。

今回のセミナーでは特に印象に残ったことが3つあります。一つ目は施設の充実です。森之宮病院は病院にいるということを感じさせないようなとてもきれいで落ち着いた施設で、あらゆる点で患者さんが過ごしやすく、効果的に回復できるような設備が整っていました。二つ目に印象に残ったのはきめ細やかなケアです。カンファレンスの際、医師、看護師、各療法士の方々がそれぞれの視点から、各患者さんの治療方針に関して細部にわたって活発に意見を交換なさっていて、理想的なチーム医療が実現しているのだと感じました。患者さん一人一人に対し非常に丁寧な考察が専門的に、多角的に行われていて感激しました。三つ目に印象に残ったのは、研究テーマとしてのリハビリテーションの魅力です。リハビリテーションは脳の働きと密接にかかわっており、患者さんの回復の過程でどのようなことが起こっているかを明らかにしていくことは、脳の研究に大きな前進をもたらすことになるのだと感じました。

今回のセミナーを通して、最先端のリハビリテーションがどのようなものであるかを自分の目で確かめ、実感することができてとても勉強になりました。先生方もとても丁寧に説明して下さり、理解を深めることができました。また、リハビリテーションに熱心に取り組んでいらっしゃる患者さん方を拝見し、医療従事者を目指すものとして、一層努力を積んでいきたいという気持ちが強まりました。リハ医学生セミナーというすばらしい機会を与えて下さったことを本当に感謝しています。

【東京大学】

BSLのときに大変心に残る実習をしてくださり、興味を持ったため、セミナーに参加させていただきました。

初めて入院患者さんのベッドサイドでの診察を見学させていただきました。また一部では、神経学的所見をとらせていただきました。実際にどのようにアセスメントするかのを知ることができて大変勉強になりました。問診ではそれぞれの先生ごとに味わいがあり、興味を持って学ぶことができました。回診ではとても覚醒度の低いように見えた方がPTさんの元気な声かけでぱっと眼を開いてお返事をなさったことがあって驚き、本当にプロだなぁと思いました。

外来診察や装具診では、事前にさまざまな資料を活用しながら大変丁寧に症例を解説してくださったおかげで、診療の背景にあるものを頭に置きながら見学をすることができ、理解が深まったような気がします。単に医学的知識を並べるのではなく、行われていることの意味や意義が分かるような説明をしてくださったので、生き生きとしたリハビリの知を学ばせていただくことができました。先生が本当に患者さんのことを想って診察していらっしゃるようすは、本当に心に染みいるもので、このような医師になりたいと強く思いました。

また、ちょうどリハビリのセミナーがあり、最先端の科学的な知見が満載で、かつ臨床に直接つながる刺激的なお話がとても面白く、自分も研究をしたいと改めて感じました。

外部病院の見学の機会を2度設けていただきました。一件目は、北療育医療センターでした。もともと小児リハビリや障害児の医療に関心があり、一瞬一瞬が心に響きました。実際のPT室でのリハビリの様子をPTの先生に教えて頂き、特に手術後の患者さんのリハビリテーションを見させていただきました。

お話をする機会もたくさんとってくださり、少人数での懇親会やスタッフの皆さんも交えた納涼会など、様々な形でとても楽しい時間を過ごさせていただきました。私のリハビリについてのつたない想いを非常に熱心にきいてくださり、とても熱い気持ちのこもったお話で応えていただき、胸がいっぱいになりました。

全体を通して一学生の希望や想いにとても熱心に応えて下さり、非常に満ち足りた想いで実習を終えました。上記に加え、整形外科のBSLの時の担当患者さんを担当したPTの先生にも実際にどういったことをしたのか教えていただいたり、OTやSTの先生にも教えていただいたりと、希望を全てかなえていただきました。

BSLで心を惹かれ、でも実際の現場を見た経験が少ないので見てみようと思って参加したのですが、一瞬一瞬が期待をはるかに上回る最高の学びの場でした。特に終始あたたかく熱心にご指導いただいたことがとても胸を打ちました。本当にありがとうございました。

【昭和大学】

私はこの度、昭和大学藤が丘リハビリテーション病院と、初台リハビリテーション病院の見学をさせて頂きました。

昭和大学藤が丘リハビリテーション病院の回復期病棟では、患者さんが安全にリハビリを受けるために全身管理をしっかり行い、医学的予後を考慮したリハ処方を行っているということでした。また、生活を視野に入れた対応が大事であるとお話をうかがいました。したがって、リハ医はプライマリーケアやターミナルケアができなければならないということでした。見学では、針筋電図や神経伝導速度、嚥下造影などの検査をみせていただきました。また、音楽療法の器具を開発研究しており、そのデモを見学しました。教育面においては、2、3年他科で研修を行うということでした。私はこのシステムはすばらしいと思いました。なぜなら総合医としての役割をふまえた教育方針だと思ったからです。

初台リハビリテーション病院では、まず患者さんの食事を見学しました。ナース、ケアワーカー、言語聴覚士の皆さんがリハビリを兼ねた食事を提供していました。また、理学療法士は歩行練習を行い、作業療法士は上肢のリハビリを兼ねて介助を行っていました。実際の生活に近い、効果的なリハビリが提供できるということでした。スタッフカンファレンスでは、十分な時間をかけ、目標やゴールを統一していました。リハ医の先生は、リハビリの指針をスタッフに示している印象を受けました。回診では先生と患者さんが互いに笑顔で会話していることが印象的でした。

このセミナーは講義では知ることのできない内容が盛りだくさんであり、ぜひ今後も継続していただければと願っています。実習を快く受け入れてくださった先生方には、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

【長尾病院】

今回私は、長尾病院で研修させていただきました。

急性期を脱した患者さんは、寝て起きて座って立って、というベーシックな動作から始めて、巧緻な動作ができるようになって、もとの生活に戻るというのが理想像だとは思います。が、高齢者の脳血管障害が多いということから考えてもなかなか難しいのが現実です。

そんななかで、今回のセミナーでは、患者さんの障害をそのときどきで正確に認定し、残された機能を最大限に発揮できるように、と医療スタッフが真摯に向き合う姿を見ることができました。医師、看護師、OT、PT、ST、ソーシャルワーカーなど、多くの職種が、患者さんの10年、20年先を見据えてじっくり関わっていくというのは他の診療科にない魅力の一つだと思います。

長尾病院での2日間はあっという間で、普段の大学の授業ではできないような貴重な体験をたくさんさせていただきました。診察や検査、リハビリの現場でお邪魔なこともあったかと思いますが、みなさまに温かく接していただき感謝しております。本当にありがとうございました。

【鹿教湯三才山リハビリテーションセンター】

まずは、私一人の為にわざわざこのような見学実習を催して下さった病院スタッフの方々、本当にありがとうございました。職員の方は皆さんとても親切に施設や業務内容を案内して下さいました。勿論見学実習内容については少しでも改善の余地はあるかと思いますが、一学生として非常に貴重な経験を素晴らしく心地よい形でさせていただきました。

さて、様々な各部署の方々に書面又は口頭での説明をして頂いた結果少しでもこちらの病院ならびに連携を取っている医療施設でのことを理解することができました。中でも病院、リハセンター、老健、特養といった施設同士の関係は全く知識がなかった為非常に勉強になりました。急性期のことばかりを扱ってしまう大学の講義では、このような分野はないがしろにされがちであり、また説明があってもそれは簡単なもので実際に足を運んでみてこちらの職員の方やご家族の姿を自分の目で見ることによりイメージは大きく変わりました。医学部の中というのはあまりにも現実世界と解離しているものなのです。又、職員の方は実際にお仕事の様子を見せて下さると当時に現時点の問題点についても語って下さいました。やはり生の声はとても胸に響きます。これからの時代、医療は様々なチームスタッフが手を取り合って作り上げてゆくものだと自分も思っているので、互いに色々な主張を出し合って真剣に話し合う場が必要だとも思いました。

まだまだ思っていることはまとめきれておりませんが、この実習を受けての大きな感想としては、学生のうちから色々な世界を見ておくべきだということです。教科書の世界と実世界は大きく解離しており、あまり選択の余地もないまま就職先を決めてしまうのは悲劇です。このような体験を通じて、自分の医師像と実際に働く環境との比較をすることはとても有意義であり、それを積み重ねることによってより自分の理想の現実を見つけることが出来ると思いました。こちらの病院はリハビリ病院として日本内でも非常に規模の大きなものだとお聞きしているので、是非一度は学生にうちに足を運んでおくべきだと思いました。医師になってからではあまりに時間がないというのも理由のひとつです。貴重な体験をさせて頂き、ありがとうございました。

【北海道大学病院】

今年、初めてこの学生セミナーに参加しました。最初の二日間、北海道大学病院では嚥下訓練や運動機能訓練、ボトックスを用いた痙縮の治療を見学しました。患者さんの一人の身体所見をとる機会もあり、抄読会にも参加しました。それぞれ諸先生方には丁寧に説明していただきました。三日目は小樽のすがた医院へ行き、地域でのリハビリを体験しました。そこでは在宅患者さんへの往診や訪問リハに同行しました。大学病院では患者さんが病院に来て治療やリハビリを行いますが、訪問リハでは自宅で可能な日常動作を増やしていくため、リハビリ本来の目的である「ADLの向上」に正にマッチしていると感じました。

三日間のセミナーで感じたことは、私がリハビリについてほとんど何も知らなかったということでした。医学生に限らず一般の人もリハビリについて何となくは知っているけれど、実はほとんど知らないというのが現状だと思います。今回、このセミナーを通して大学病院と地域の診療所でのリハビリに触れ、リハビリとは何かを少しは感じることができたように思います。最後になりますが、お忙しい日常業務をぬって色々と教えていただいた先生方、本当にありがとうございました。

【第18回伊豆リハビリテーション夏期セミナー】

3日目がマッチングと被ってしまい、2日間だけの参加だったが、とても楽しかった。

講義はいずれも内容がバラエティに富んでいて大変興味深かった。特にイントロの講義はおもしろく、知っているようで知らなかった、「リハビリとはそもそも何か」を知ることができた。特に書籍を紹介していただいたのはとても貴重な事で、他の科と違って推薦図書を教えていただく機会はどうしても少なくなりがちで、自分でかじってみたいと思っても腰が重くなってしまうようなところがあったが、道をひいていただいたように感じた。

色々な年齢の先生方・学生と交流できることはとても贅沢で幸せなことであり、大変勉強になった。多様な人々の多様な目線から見たリハビリを知ることができて、視野が広がった。

これからリハビリテーションの世界で自分がやってみたいこともより明確になったように感じるとともに、何を勉強していけばよいかも感じ取ることができた。

先生方は皆とても親切で話しやすく、宿は個室で広々としており、夜は温泉で、食事は美味かつ食べきれないほどのボリュームであり、夜の楽しい飲み会まで含めて最高のセミナーであった。